2008年7月1日(火)「しんぶん赤旗」

論戦貫いた156日間

日本共産党と第169通常国会(7)

学校耐震化

国庫補助の増額実現


 「公立小中1万棟 震度6強 倒壊恐れ」

 文部科学省が六月二十日発表した全国公立小中学校施設の耐震調査の結果が、国民に衝撃を与えています。日本共産党は、子どもの命にかかわるこの問題を一貫して取り上げ、国民の運動とともに政府を動かしてきました。

国が責任もて

 一万棟すべてを耐震化するには、国と自治体あわせて一兆円が必要との指摘もあります。しかし、国の「公立学校施設整備費」は相次ぐ削減で、一九八〇年度の五千九百二十九億円をピークに、昨年度は一千億円台になっています。国の補助がなく、財政の厳しい地方自治体は二の足を踏んできました。

 党国会議員団は〇八年度予算案の抜本的組み替え要求を二月に発表し、国の責任で公立学校施設の耐震化を促進するよう要求。石井郁子議員は同月の衆院予算委員会で、公立小中学校と比べて遅れている認可保育所の耐震化も求めました。

 ついに政府は中国・四川大地震後の五月二十二日、公立小中学校の耐震化を加速させるため、原則二分の一としている国庫補助率を三分の二まで引き上げる方針を決めました。日本共産党が〇三年三月に緊急提案「ゆきとどいた教育の条件をととのえるために」で提起していたものでした。

 政府方針の決定後、日本共産党をはじめとする与野党は、共同提案で公立幼稚園・小中学校の耐震化を促進する法案を提出。五月三十日の衆院文部科学委員会で石井氏が、「地方自治体の負担を軽減しないと耐震補強工事や改修が進まない」と迫ったのに対し、渡海紀三朗文科相は「国の責任として(補助率引き上げに)応えていきたい」と述べました。

 促進法は六月十一日の参院本会議で全会一致で可決・成立し、十九日から施行されました。

 「今、役所内で『学校の耐震化100%』が動きだしている」。ある保守系の自治体首長はブログでこう書いています。

8人が主意書

 そもそも政府は、二〇〇二年まで、公立学校施設の耐震診断や耐震化の責任は市区町村にあるとし、全国調査すらしていませんでした。

 一九九九年に日本共産党は「ボロボロ校舎」解消を要求し、新日本婦人の会などの運動と結んで実態を調査。〇二年六月、党の参院議員八人が「公立学校施設の耐震性の確保」などを求めて質問主意書を提出しました。

 政府は「耐震性の確保は重要」と答弁し、翌月、初めて耐震化の実態を公表。さらに、都道府県の教育委員会あてに、耐震診断と問題のある建物の速やかな補強・改築を指導したのです。

 公明党は、今回の促進法の成立を「大前進」(公明新聞十二日付)と誇りましたが、二十五日の都議会では同様の条例案に反対。まったくの二枚舌ぶりを示しました。(つづく)


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