2008年6月28日(土)「しんぶん赤旗」

G8外相会合

北朝鮮の核申告を歓迎

議長声明「重要なステップ」


 京都市で開かれていた主要八カ国(G8)外相会合は二十七日、「北朝鮮がすべての核兵器、核計画と弾道ミサイル計画を放棄するよう要請する」とした高村正彦外相の議長声明を発表して、閉幕しました。

 議長声明は、北朝鮮が六カ国協議の合意に基づいて核計画を申告したことを「重要なステップとして歓迎」し、北朝鮮問題の六カ国協議を加速する重要性を強調しました。

 ライス米国務長官は同日の共同記者会見で、任期終了が来年一月に迫ったブッシュ政権として、北朝鮮の非核化に向け、残された課題の解決を急ぐ考えを表明しました。

 北朝鮮による拉致問題について、同日の会合で高村外相は「日本として(北朝鮮の)非核化とともに日朝関係も前進させていきたい。拉致、核、ミサイルといった懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交を正常化するという方針は不変だ」と発言しました。議長声明には「拉致問題の早期解決」を含む人道問題への対処を北朝鮮に求めることが盛り込まれました。

 議長声明は「すべての核兵器国に対し、透明性をもって(核兵器)削減を行うよう求める」と表明。核保有国に核削減を求めるのは「G8外相としては初めて表明」(外務省)することになります。

 このほか議長声明では、イランの核計画に対する「深刻な懸念」を表明。中東和平問題では、イスラエル・パレスチナ間の最近のガザ地区の停戦を「歓迎する」としました。

 大統領選をめぐって混乱が続くジンバブエ問題については特別声明を発表。「自由公正な選挙を不可能にしているジンバブエ当局の暴力、妨害、脅迫を憂慮する」とのべました。

 同外相会合の結論は、七月七日からの主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に報告されます。



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