2008年6月28日(土)「しんぶん赤旗」
北朝鮮 原子炉冷却塔を爆破
北朝鮮は二十七日午後、寧辺の核施設にある原子炉(黒鉛減速炉)の冷却塔を爆破しました。米CNN、韓国MBCなどが伝えました。寧辺の原子炉は核兵器開発に使われるプルトニウムを生産するために使われた施設です。
北朝鮮の非核化は現在、核施設の無能力化などを完了させる第二段階の大詰めにあります。冷却塔の解体は当初、無能力化の次の核廃棄段階で行われる措置でしたが、前倒しで爆破されました。
訪朝中のソン・キム米国務省朝鮮部長も寧辺入りして、爆破の様子を視察。「極めて重要なステップだ」と語りました。
ライス米国務長官は二十七日、日米外相会談後の記者会見で、「稼働していた原子炉だったことを忘れてはならない」と述べ、非核化に向けた意義を評価しました。
冷却塔は原子炉の廃熱を処理するための施設。原子炉が稼働していれば、冷却塔から水蒸気が発生するため、米情報当局は衛星などで確認しながら、北朝鮮の核開発活動を監視してきました。無能力化の措置によって、内部の装置はすでに搬出されていました。
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