2008年6月27日(金)「しんぶん赤旗」
岩手・宮城地震 志位委員長、現地入り
被災者、切々と
家に田、イワナ、イチゴ…心配尽きない
「お盆前までには家に帰りたい」―。二十六日、岩手・宮城内陸地震の被災地に入った日本共産党の志位和夫委員長に、三カ所の避難所で生活を続ける住民から生活再建を求める切実な声が相次ぎました。志位委員長は、高橋千鶴子衆院議員とともに、犠牲者を出したがけ崩れなどの被災現場も視察しました。
宮城・栗原市
花山地区
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宮城県栗原市花山地区の石楠花センターでは現在も百五人が避難しています。
「いまお困りのことは何でしょうか。みなさんのお宅はどうなっていますか」と気遣う志位委員長や高橋議員に対し、即座に「私のところは赤紙(危険)です」「うちは黄色紙(要注意)」という声が返ります。住宅損壊への支援を求める声の大きさが被害の深刻さを物語ります。「何にもいらねぇけど、水道だけは通してくれねぇとどうにもならない。田んぼに水が一番必要なとき」という声も出されました。
志位委員長は、「まずは、道路や水などライフラインの復旧が大事です。そのためには、国が一刻も早い激甚災害指定をすることが必要です。住宅再建の問題では、被災者生活再建支援法が改正され、初のケースです。国に責任をもって対応していくように求めていきます」と答えると、七十歳の女性は「その話を聞こうと思っていたんです」と身を乗り出しました。「私たちは国の制度を利用しなければ何にもできませんから」と話し、「ほっとしました」と安心した表情をみせました。
栗駒耕英地区
同市栗駒耕英地区の三十四人が避難している、みちのく伝創館では、男性(63)が「十八日から一回も家に帰っていない。イワナを養殖しているところは、えさや飼育の管理が心配で眠れない毎日だ。だれかがいって見回りをしてきてという声が出ている」と話し、一時帰宅への強い思いをこめました。「イチゴがせっかく完熟しても、そのまま放置され、腐ってしまう。なんとかしてほしい」と訴えました。
志位委員長は「農業被害や観光業の被害などに対しても、公的な支援が実現するよう全力を尽くしていきます」と激励。いっせいに拍手が起こりました。
岩手・一関市
岩手県一関市の厳美公民館山谷分館でも志位委員長の質問に、「自宅に戻るに戻れないため、イワナの管理ができず、放流せざるをえなかった」(イワナ養殖業者)、「田んぼに水が来ない」など次つぎと苦しい胸の内を語りました。
志位委員長は、生活再建支援法の適用など元の安心した生活に戻れるよう、国の支援を強く求め全力をあげる決意を述べました。
不眠不休の活動に敬意
3市長に募金渡す
二十六日、岩手・宮城内陸地震の被災地に入った日本共産党の志位和夫委員長は、三自治体の市役所を訪ね、各市長から被害状況や要望などを聞きました。「不眠不休の活動に敬意を表します」と激励し、募金を手渡しました。
栗原市役所
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栗原市役所では、佐藤勇市長と懇談。佐藤市長は土砂によるせき止めダムが多数あることや、市道が寸断されていることなどを説明しました。志位氏が「人命救援と同時に、生活の再建も大事になってきている。全壊、半壊の家屋の被災認定はどうなっていますか」と問うと、市長は「県の職員が足りない。予算も少ない。充実してほしい」と要望しました。
志位氏は、被災者生活再建支援法が住宅本体にも公的支援できるように改正されたことや、先日の高橋千鶴子議員の支援法適用を求めた国会質問を紹介。「一刻も早い激甚災害の指定とともに、支援法適用のために家屋の被災を認定するスタッフの確保が必要です。党派を超えて政府と連携を取りながら対策をすすめたい」と述べました。
一関市役所
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一関市では浅井東兵衛市長に募金を手渡し、「被災者の方は、一日も早く元の集落に戻りたいと願っています。元の生活が取り戻せるように全力をあげたい」と述べ、浅井市長は「支援のほどをお願いしたい」と要望しました。
奥州市役所
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奥州市では、相原正明市長が被害状況を詳しく説明。激甚指定を強く要望しました。
志位氏は、家屋の被害実態を聞きつつ、「全壊、半壊の認定に、国の支援を強く求めて住宅の再建へ公的支援の対象にするようにしたい」とのべ、経済被害への損失補てんに「知恵を出していきたい」と述べました。