2008年6月25日(水)「しんぶん赤旗」
テロ支援国指定解除 米国方針
「北」の核問題解決へ
6カ国合意実行へ動く
ブッシュ米政権は、北朝鮮が二十六日に核計画申告書を提出すれば、すぐさま米議会に対して、同国の「テロ支援国指定」を解除するよう通告する意向を表明しました。米朝関係の改善は二〇〇五年九月の六カ国協議「共同声明」に明記された約束であり、今回の表明は、北朝鮮の核問題を六カ国協議の枠組みで行動対行動の原則で解決するという同政権の強い意志の表れといえます。
ブッシュ政権は〇七年二月、一年半ぶりに再開された六カ国協議で初期段階の措置に合意し、採択された「共同文書」を高く評価。その実施に向けて同協議の首席代表、ヒル国務次官補が関係国との調整に飛び回りました。
もともと北朝鮮による核申告は〇七年十二月末が期限とされていました。ところがそれに間に合わなかった際にも、ブッシュ政権は「遺憾」を表明するにとどめ、表立って非難するような態度はとりませんでした。
〇七年九月に発覚した、北朝鮮がシリアの核開発を支援しているとの疑惑をめぐっても、米側は慎重に対応。四月には議会で「過去の問題」だとして、対北朝鮮強硬派の説得にあたりました。
この間には、米国の名門オーケストラ、ニューヨーク・フィルハーモニックの平壌公演も認め、米朝関係の改善に向けたムードづくりを図っています。
米政権は従来から北朝鮮のテロ支援国指定の理由として、「よど号」乗っ取り犯の北朝鮮滞在をあげてきました。この問題をめぐっては、十一、十二日に北京で開かれた日朝実務者協議で、北朝鮮側が「国際手配されている三人の引き渡しに協力する」と表明。このことで指定解除の条件が整っています。(山崎伸治)
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