2008年6月20日(金)「しんぶん赤旗」

米国務長官

テロ指定解除の方針

“北朝鮮、近く核申告”


 【ワシントン=鎌塚由美】ライス米国務長官は十八日、ワシントン市内で講演し、「北朝鮮は近く核計画の申告書を(六カ国協議の議長国)中国に提出する」と述べました。核申告にあわせたテロ支援国家指定解除の方針について、ブッシュ政権高官が言及したのは初めてです。

 解除が実行されれば、米朝関係の打開だけでなく、六カ国協議の前進など北東アジアの平和と安定に寄与する契機となります。

 ライス長官は、近く北朝鮮からの申告を受け、ブッシュ大統領が北朝鮮のテロ支援国の指定解除と対敵国通商法の適用除外を米議会に通知すると説明しました。

 ライス長官は一方、テロ支援国家の指定解除が実行に移される四十五日間にも「申告の正確さを検証することに北朝鮮が協力的かどうか引き続き見極める。もしその協力が不十分であれば、相応の対応を行う」と語り、北朝鮮の対応次第で撤回もありうると示唆しました。

 検証の具体的内容としては「北朝鮮の関連施設への立ち入り」「北朝鮮の核計画従事者への聞き取り調査」などをあげました。

 ライス長官はまた、北朝鮮の人権問題に関連し、日本人拉致問題に言及。「われわれは悲劇的な日本人拉致に関し、日本と北朝鮮の話し合いを促進してきた」と述べ、「米国が人権への支持で沈黙することはない」と語りました。


 テロ支援国家 米国務省が「国際テロ組織に資金・物資などを支援している」と判断する国家。昨年はキューバ、イラン、北朝鮮、スーダン、シリアの五カ国を指定。武器の輸出・販売禁止、経済援助禁止、金融取引停止などの制裁措置が取られ、国際金融機関からの融資も不可能です。



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