2008年6月20日(金)「しんぶん赤旗」
拉致問題
外交交渉でこそ解決
衆院委 笠井議員に官房長官
|
町村信孝官房長官は十九日の衆院拉致特別委員会で、日朝公式実務者協議(十一―十二日)で拉致問題解決に向けて、一定の前進が得られたことに関連し、「圧力をかけ続け、体制崩壊を求める方法論もあるかもしれないが、私どもは外交交渉、話し合いの中で答えを出すしかないと思っている」と述べました。日本共産党の笠井亮議員への答弁です。
今回の日朝協議で北朝鮮側は、拉致問題についての「再調査の実施」を約束しました。
町村官房長官は「これまで北朝鮮側は『拉致問題は解決済みだ』としてきたが、今回は、この立場を変更したものだ。一定の前進だ」と説明。
協議に出席した外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長は「(再調査が)被害者の帰国につながるものでなくてはならないという(日本側の)念押しに、先方(北朝鮮側)も確認した」ことを明かしました。
笠井氏が「拉致問題解決に向け動かし始める新たな入り口になったということか」とただしたのに対し、町村官房長官は「委員ご指摘のように、話し合いの糸口が開けた」と答弁。「六カ国協議のフレームワークが大切だ」「(核問題も)第二段階の出口にさしかかりつつある」とも述べ、核やミサイルの問題も含めた包括的な解決を目指す考えを示しました。
笠井氏は「今回の前進の一歩を、両国政府が、日朝平壌宣言に即して、諸懸案の包括的解決、国交正常化につなげる外交努力が引き続き必要だ」と求めました。
■関連キーワード