2008年6月15日(日)「しんぶん赤旗」
岩手・宮城内陸地震
強い縦揺れに飛び起きた
東北地方を襲った震度6強の地震は、その後も続く余震とともにその被害の大きさが明らかになってきています。
岩手県一関市厳美町で農作業をしていた五十代の男性は「草刈りをしていたら震源地の方の須川からゴーッという音がした。近づいてきたと思ったら揺れで立てなくなった」と発生時を振り返ります。
隣の奥州市でも会社員の女性(27)は「家で横になっていたが強い縦揺れで飛び起きた。居間に向かおうとしたが、立っていられなかった」と話します。
住民らが口々に「これまで経験したことのない揺れ」と話す今回の地震。奥州市で民生委員をする女性は担当する一人暮らしのお年寄り五人を訪問しました。「けが人はいなかったが『こわい、こわい』と震えている人がいました。市内のレストラン経営者が『店がめちゃくちゃで営業ができない』と話していた」といいます。各地で家具や墓石が倒れる被害が起きています。
宮城県栗原市の小野久一日本共産党市議は、地震発生後、地域を回りました。「家屋など建物自体に被害はないが、家の中はめちゃくちゃというところが多い。橋と農道の間に十センチから二十センチの段差ができて通れなくなるなど、交通の寸断が起きています」といいます。
岩手県一関市厳美町に住む男性(73)の自宅にある農作業小屋のコンクリートのたたきには幅が二センチもあるヒビが何本も入りました。「また強い余震が来ると屋根から崩れないか心配。妻が怖がっている」と話します。
また、この男性は「震源地に近い農民連の仲間は、自宅裏のがけから大石が落ちてきてトラクターがつぶれたといっている。家族に止められて見にいけないが心配だ」と話します。