2008年6月15日(日)「しんぶん赤旗」
岩手・宮城 震度6強
6人死亡 9人不明
150人超負傷 道路寸断 住民孤立
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十四日午前八時四十三分ごろ、東北地方で強い地震があり、岩手県奥州市と宮城県栗原市で震度6強、北海道から東海地方までの広い範囲で震度1―6弱の揺れを観測しました。この地震による落石などで六人が死亡、東北各県で負傷者は百五十人を超えました。地震による土砂崩れで、栗原市の二カ所で計九人が生き埋めになるなど行方不明になっているとみられ、捜索が続いています。土砂崩れや橋の崩落などが多発し、各地で道路が寸断。岩手県一関市の祭畤地区や須川温泉、矢櫃ダム周辺、栗原市の四地区で計約六百人を超える住民や宿泊客が孤立し、救助が続きました。
気象庁はこの地震を「平成二十年(二〇〇八年)岩手・宮城内陸地震」と命名。震源地は岩手県内陸南部で、マグニチュード(M)7・2、震源の深さは八キロと推定されます。両県で震度5弱以上を観測したのは、〇五年八月の宮城県沖を震源とした地震以来。
余震は午前九時二十分に震度5弱を観測、午後八時までに計百八十七回に達しました。震度6弱を観測する可能性もあるとして、同庁は注意を呼びかけています。
岩手県一関市では、地震に驚いて家から道路に飛び出した千葉友三さん(60)が、通りかかったトラックにはねられ死亡。同県奥州市のダム工事現場では、千葉正彦さん(48)が落石に直撃され、死亡しました。
福島県いわき市の漁港付近では、岩場から岩石や土砂が崩落。釣りの準備をしていた会社員石井道隆さん(55)が巻き込まれて海に転落し、病院に運ばれましたが死亡が確認されました。
宮城県警によると、栗原市の国道398号線で工事中の作業員三人が生き埋めとなり、搬出された二人が死亡しました。また、同市湯浜地区で車両三台が埋まり、三人が助け出されたものの一人が死亡。同市の「駒の湯温泉」の建物一階が土砂崩れで倒壊し、宿泊客と従業員ら七人が生き埋めとなっています。
奥州市の国道397号線では二十人が乗ったマイクロバスががけ崩れに巻き込まれました。全員救助されましたが、一人が重体、五人が重傷。
建物の損壊は岩手県四十一戸、宮城県二十三戸、秋田県十八戸、山形県二戸。岩手、宮城両県の約千四百戸が停電しました。
被災者「自宅が心配」
岩手・奥州 高橋議員が激励
日本共産党の岩手・宮城内陸地震対策本部の高橋千鶴子・事務局長(衆院議員)は十四日、被害が大きかった岩手県奥州市内に入りました。避難所と被災者宅を訪問し、激励しました。
自宅の車庫に避難している男性(75)と女性(69)は、娘と三人暮らし。「あんなに大きな地震は初めてだった」と口をそろえます。自宅横にある車庫に毛布などをもって避難。「自宅の窓や戸は、すべて壊れて、ガラスも飛び散った。避難所ができたというが、家が心配で離れたくない」といいます。
高橋議員は、「大変ですが、頑張っていきましょう」と手を握って励ましました。
同市中横沢原の水の郷未来館に設けられた避難所でも激励しました。
日本共産党両磐地区委員会の三枚山光裕委員長も同日、一関市の被災地に直行し、地元住民から被害状況を聞きました。
日本共産党が対策本部設置
日本共産党は十四日、岩手・宮城内陸地震対策本部をただちに設置し、地元自治体の党議員らとともに被災者支援に全力であたることを確認しました。
本部長は市田忠義書記局長・参院議員、本部長代理は、穀田恵二衆院議員・国対委員長、事務局長は高橋千鶴子衆院議員。