2008年6月12日(木)「しんぶん赤旗」

民主党

問責本会議と同時刻に

自公と“協調”会合

国民にどう説明?


 十一日、民主党などの提出した福田首相問責決議案が上程された参院本会議が開会中の同時刻、国会内外で自民党と民主党などが政策協調体制を積み上げる会合が複数開かれていました。

公務員法で

 一つは、国会近くのホテルで開かれた二十一世紀臨調、経済同友会、連合の主催で開かれた「公務員制度改革緊急シンポジウム」。

 官民癒着を認め、国民へ奉仕する国家公務員から時の政権へ従属する公務員へ変える国家公務員制度改革基本法は、民主党が急転賛成に回ったことから修正成立。シンポジウムは、その盛り上げをはかるためにおぜん立てされました。

 出席した渡辺喜美・公務員制度改革担当相は「画期的な法案を成立させてもらった。骨抜きされないことが当面の最大課題」と民主党のさらなる協力を求めました。自民党の中川秀直元幹事長は「今回の基本法成立は道州制につながる長期の改革の入り口。与野党でいがみ合っていては、喜ぶのは改革を望まない旧体制だ。与野党が話し合って答えを出していくことが大事だ」と民主党の自民党への同調姿勢を誘いました。

 これにたいし民主党の松本剛明前政調会長は「自公政権には是々非々で対応していく。政策の競争をさせてもらいたい」と応じました。

安保・軍事で

 一方、同じ時刻。国会内で自民、民主、公明などの国防族議員でつくる「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」の定例会合が開かれました。同会は、当面の目標に自衛隊海外派兵一般法(恒久法)の制定をにらんで与野党の共通認識を深める場になっています。塩崎恭久元官房長官(自民)、渡辺周衆院議員(民主)など自・公・民・国民新各党から十六議員が出席しました。

 さらに同夜、自公民国防族議員でつくる安全保障議員協議会(瓦力会長)が国会近くの千代田区永田町の個室割烹(かっぽう)で懇親会を開きました。安保議員協は昨年秋に表面化した軍事利権問題にかかわって軍事産業界との接点としてクローズアップされ、しばらく活動を控えていました。同夜の会合は活動再開をにらんで呼びかけられました。

 問責決議案を強行提出する、その足元で安保・防衛や内政の基本政策で自民党との協調体制を広げている民主党。国民にどう説明するのでしょうか。(井)


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp