2008年6月4日(水)「しんぶん赤旗」
全労連・全労協が集会
松下プラズマ判決を力に
派遣法抜本改正を
偽装請負を行った松下プラズマディスプレイ社に派遣労働者の雇用責任があると認めた大阪高裁判決を力にして労働者派遣法の抜本改正をめざそうという集会が三日、衆院第二議員会館で開かれました。全労連と全労協が初めて共催したもので、日本共産党、社民党、自民党の国会議員や秘書らが激励に訪れました。
同判決は、偽装請負で働かされてきた吉岡力さんと派遣先の同社との間に「黙示の雇用契約」が成立していることを認めました。偽装請負告発への報復として隔離部屋で働かせていたことも不法行為だとして慰謝料の支払いを命じました。
この判決について報告した村田浩治弁護士は、適法でない労働者派遣は職業安定法と労基法違反であり無効だとした点に画期的な意義があると指摘しました。「請負会社との間にしか雇用関係を認めない労働行政の改善が求められる。偽装請負にとどまらず、派遣法違反すべてに適用できる判決であり、運動に生かしてほしい」とのべました。
日本共産党、社民党の国会議員があいさつ。山下芳生参院議員は、この事件が発端となって偽装請負根絶の運動が広がったことにふれ、「違法な働かせ方をやめさせ、派遣法の抜本改正に全力をあげよう」と語りました。
参加者から「判決に勇気づけられた。広めていきたい」「最高裁で確定させる運動をすすめたい」との発言がありました。
首都圏青年ユニオンなどから「紹介予定派遣の途中で打ち切られ、組合に入って交渉し、賃金を全額支払わせた」「派遣から直接雇用後に雇い止めされた。恒常的業務に派遣を使うやり方をやめさせたい」とたたかいが紹介され、「貧困を増やす大本にある、こうした働かせ方を改めさせるため派遣法を改正させよう」との訴えが相次ぎました。
主催者あいさつで中岡基明全労協事務局長は、「高裁判決は抜本改正めざすたたかいを激励するものだ。派遣労働者保護法につくりかえるために全力をあげよう」と訴えました。
まとめの発言で全労連の小田川義和事務局長は、「抜本改正実現のため力関係を変えなければいけない。要求の一致点で団結し、運動を強めよう」と呼びかけました。
全国ユニオンなどでつくる格差是正と派遣法改正を実現する連絡会の代表も「派遣法の抜本改正につながる取り組みをすすめよう」とのべました。
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