2008年6月4日(水)「しんぶん赤旗」
後期高齢者医療
廃止以外 解決策なし
野党法案 初の本格審議
日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党四党が提出した後期高齢者医療制度廃止法案の質疑が三日、参院厚生労働委員会で行われました。新制度が四月に始まってから約二カ月。国民の怒りが集中しているなか、制度の存否をめぐって、実施後、初めて国会の場で本格的審議が交わされました。
参院の意思示そう
小池議員答弁
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法案の発議者として答弁にたった日本共産党の小池晃議員は、「年齢だけで医療を差別する制度そのものの問題を解決するために、参院の意思として、廃止法案を可決し、成立させよう」と呼びかけました。
論戦では、与党議員が、制度を存続させる立場から、「廃止は無責任だ」などと主張。これに対し、小池氏は「新制度の問題と破たんが明らかになっているのに引き返そうともしない与党の態度こそ無責任の極みだ」と反論しました。
また、「以前の老人保健制度に戻していいのか」という与党の批判に対して、小池氏は「国庫負担を削減し、国民に負担増をおしつけてきた老健制度の問題点は当然、改革が必要だ」としつつ、「差別医療をしいる後期高齢者医療制度とは決定的に違う」と指摘。「間違った制度をただちにやめ、元に戻すべきだ」と強調しました。
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他党の発議者からは、「七十五歳以上だけ別の制度をつくることは差別的だ」「お年寄りを切り離して独自の制度をつくっても早晩、破たんする」などの発言がありました。
井上議員が質問
野党の質問では、日本共産党から井上哲士議員が立ち、保険料の負担増など新制度の仕組みの根幹から生まれる矛盾を指摘し、同制度の廃止を強く求めました。
■廃止法案のポイント
・来年4月に後期高齢者医療制度を廃止し、老人保健制度に戻す
<10月までにとる緊急措置>
・後期高齢者保険料の年金からの天引き中止
・保険料負担を軽減
・サラリーマンの被扶養者の保険料徴収の中止
・70―74歳の窓口負担2割の中止
・65―74歳の国保料(税)の年金天引き中止
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