2008年5月28日(水)「しんぶん赤旗」
明石海峡衝突事故
漁業者の救済要求
穀田議員 油流出で被害深刻
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日本共産党の穀田恵二議員は、二十七日の衆院国土交通委員会で、明石海峡衝突事故(三月五日)で深刻な被害を受けた漁業者の救済を強く求めました。
事故は、船舶の航行が集中する「特定航路」に指定されている明石海峡で砂利船、ケミカルタンカー、貨物船の三隻が衝突したもので、貨物船が沈没し、油の流出が今も続いています。現行の海上交通安全法では漁業被害対策がありません。
穀田氏は、今月十八日に開かれた明石海峡油被害抗議漁業者の集会(神戸市で千五百人参加)で、「油止め対策」「特定航路の事故対策としての基金創設」を求める決議が採択されたことを紹介。「国として漁業被害に最大限の努力で対応すべきだ」と迫りました。
冬柴鉄三国交相は「漁業者にまったく責任はない。ただし、タンカー以外の船舶の燃料漏れを補償する国際的取り決めがない」と答えました。
穀田氏は、事故を起こした船主たちが、政府の呼びかけた「明石海峡航路衝突沈没海難対策連絡調整会議」に出席したのかを質問。国交省の春成誠海事局長は「六回開催したが、船舶所有者は出席していない」と答えました。
穀田氏は「けしからん。貨物船の油流出は石油タンカーに比べて被害が少ないというが、なんとしても救済する立場で取り組むことが必要だ。船主にきちんと負担を負わせるべきだ」と述べるとともに、「特定航路」の海難事故対策としての基金創設を強く求めました。