2008年5月26日(月)「しんぶん赤旗」
東大で“自共対決”
五月祭討論 護憲×改憲
笠井氏、恒久法批判
東京大学の五月祭企画・「護憲×改憲 徹底討論」が二十五日、同大学本郷キャンパスで開かれ、日本共産党の笠井亮衆院議員が出席し、自民党の山崎拓前副総裁らと討論しました。主催は「九条の会 東大」と「本郷憲法研究会」で、一般参加を含む三百五十人が熱心に討論に聞き入りました。
笠井氏は「安倍晋三前首相のもとで『戦後レジームからの脱却』がいわれたが、改憲論議をめぐる状況は大きく変化した」と指摘。「背景には『九条の会』の広がりなど世論の変化があり、九条を大切にしたいというのが国民の多数意見だ」とのべました。
山崎氏は「戦後六十年間の平和は九条ではなく、自衛隊と日米安保体制によるものだ」とし、「解釈(改憲)でしのいできたが限界にきており、自衛力の整備と国際協調のためには九条二項の改定が必要だ」とのべました。
笠井氏は「九条があったからこそ米国と一緒に戦争することができなかった」と反論。パネリストとして出席した「九条の会」事務局の小沢隆一慈恵医科大学教授は「九条を変えるのは集団的自衛権の行使を可能にし、アメリカの軍事作戦に参加するため。日本と国際社会の平和にとって好ましくない」と改憲論を批判しました。
また笠井氏は、自衛隊海外派兵をいつでも可能にする恒久法の動きについて「テロ特措法の単なる期限延長などではなく、『任務遂行のための武器使用』を認めるなど海外での武力行使につながる」と批判。山崎氏は「そのような意見があるのは事実」とのべました。
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