2008年5月24日(土)「しんぶん赤旗」
日本共産党国会議員の質問
嘉手納基地
未明離陸中止せよ
赤嶺議員 政府、毅然と対応を
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赤嶺政賢議員は二十三日の衆院外務委員会で、米軍嘉手納基地(沖縄県)で繰り返される米軍機の未明離陸について「根絶こそ県民の願いだ」と中止を強く求めました。
同基地では、四月二十三日にF15戦闘機などが、米本土で機体を更新するため、午前五時台に離陸。地元自治体の中止要請にもかかわらず、五月二―三日にも、アラスカでの演習参加を理由に、午前五―六時台の離陸を強行しました。
赤嶺氏が、同基地の米軍機が参加した演習内容をただしたのに対し、外務省の西宮伸一北米局長は「ノーザン・エッジ」と「レッド・フラッグ・アラスカ」という演習で、「パイロットの空中戦闘技術を向上させる」ものだと説明しました。
赤嶺氏は、米軍ホームページによると、「ノーザン・エッジ」が年一回、「レッド・フラッグ・アラスカ」が年四回実施することになっていると指摘。「政府が毅然(きぜん)とした対応をとらない限り、(年間五回も)未明離陸が繰り返されることになる」と強調しました。
西宮局長が、日本側の働きかけで、「三日の離陸は、午前六時台になった」などと弁明しました。赤嶺氏は、同日は休日であり、午前六時台に爆音に苦しめられる住民にとって、解決とはいえないと指摘。米軍の運用を優先する限り、「早朝・未明の離陸は根絶できない」と批判しました。
輸入食品
検査体制の強化を
紙議員 監視員の増員要求
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紙智子議員は二十二日の参院農水委員会で、中国製冷凍ギョーザ事件以降も輸入食品の検査体制強化が進んでいない問題を取り上げ、検査にあたる食品衛生監視員の抜本増員を求めました。
紙氏は、輸入食品の検査体制強化は食の安心・安全にとって不可欠だと指摘。現在の輸入食品検査率が10・7%にすぎないなか、「共産党は検査率50%以上を求めている。厚生労働省は何年にどこまで引き上げるつもりなのか」とただしました。同省の藤崎清道食品安全部長は「(目標を)設定する考えはとってない」と述べました。
紙氏は、「そんなあいまいな答弁では国民の期待には応えられない」と批判。現在の監視員は三百四十一人にすぎず、今年度の増員はわずか七人です。「これで検査率を飛躍的に上げられるのか」と迫ると、藤崎氏は「検査率引き上げには増員が必要だ」と認めました。
紙氏は、監視員を三千人にしても、予算は多めに見積もって三百億円だと指摘し、「自衛隊の人件費二兆円に比べても、食の安全確保のためなら国民は十分納得できる」と強調しました。
藤崎部長は、「必要な検査ができるよう、監視員の増員に向けて検討していく」と答弁。若林正俊農水相も、「水際の検査体制を充実し、安全な食品が国内で流通するようにしてもらいたい」と述べました。
保険法改正
苦情は年間40万件
仁比議員 消費者保護が必要
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仁比聡平議員は二十二日の参院法務委員会で、生命保険や損害保険の契約などについて定める保険法の改正について質問しました。
生保や損保の契約に関する規定は、これまで商法で規制されていましたが、約百年間抜本的な改正が行われておらず、近年急増しているがん保険や医療保険などの新しいタイプの保険に対応していないという問題が指摘されていました。
仁比氏は、保険金不払いや保険料の取りすぎなどで、主要な保険会社だけで四十万件(二〇〇七年)の苦情が寄せられている実態を示し、「規制緩和や金融自由化で増えている多様で複雑なリスク商品を、きちんと規律するものでないと、消費者保護は現行法より後退するおそれもある」と指摘しました。
さらに企業・法人が従業員などを一括して加入させる団体定期保険について、「過労死した社員の保険金を企業が手にすることが相次いでいる」と指摘。従業員の同意もなく、加入させられているという大企業の労働者の告発を紹介し、「企業が社員の命を利得にしているのは日本だけ。(改正法では)こうした実態が本当に変わるのか」とただしました。
鳩山邦夫法相は「不十分な点があれば、改正を加えて、消費者にさらに有利な方向に努力すればいいと思う」と答弁しました。
地域再生
企業救済策に偏り
吉井議員 協力が得られない
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吉井英勝議員は二十二日の衆院内閣委員会で、地域力再生機構法案による支援が、特定の事業者の救済に偏っていることをあげ、「地域の協力は得られない」と批判しました。
同法案は、経営困難な企業や第三セクターの債権を銀行から買い取る新会社(地域力再生機構)を設立し、主力銀行などと連携して事業再生をはかるというものです。政府は、事業所だけでなく、一定地域も支援対象にする手法(面的再生)を取り入れたことをあげ、地域経済の再建につながると強調しています。
これに対し、吉井氏は「面的再生」も結局は、特定企業の救済が目的だと指摘。内閣府の研究会では、具体例として、「(地域で重要な役割を果たす)百貨店の再生のために、周辺商店街の活性化に取り組むケース」などとしていることをあげ、「これでは百貨店の再生がメーンで、周辺商店街の活性化は付け足しにすぎない。これで地域の協力が得られるか」と追及しました。
大田弘子経済財政担当相は、「周辺の商店街も整備されて、初めて百貨店は再生される」などと述べ、特定企業の救済のための一つの手法として「面的再生」と取り入れたことを認めました。