2008年5月21日(水)「しんぶん赤旗」
北朝鮮の核申告近い
六カ国協議 米日韓代表が会合
【ワシントン=鎌塚由美】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の日米韓の首席代表は十九日、米国務省で会合を開きました。ヒル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は会談後、記者団に対し、北朝鮮による核計画の申告について「提出される時点に近づいている」と言明しました。三カ国が六カ国協議以外の場で対北朝鮮政策を協議するのは五年ぶりです。
会合には、ヒル氏のほか、外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長、韓国外交通商省の金塾(キム・スク)朝鮮半島平和交渉本部長が出席。近く北朝鮮が提出する見込みの核計画申告書の内容を連携して検証していくことを確認しました。
北朝鮮側はすでに、寧辺の原子炉に関する約一万九千ページの稼働記録を米側に提出しています。これらの記録をもとに検証作業が行われます。
会合では六カ国協議の合意である北朝鮮へのエネルギー支援も論議されました。日本は拉致問題を理由に参加を留保しており、今回の会合でも従来の立場を繰り返すにとどまりました。
ヒル氏と金氏が北朝鮮への見返り措置の履行に積極的な姿勢を見せた半面、斎木局長は慎重な姿勢を変えませんでした。
斎木局長によると、会合では米政府による北朝鮮のテロ支援国指定解除問題が取り上げられ、同国による完全で正確な核申告書の提出が前提になるとの認識を確認。日本側は拉致問題に進展がない限り、慎重に対応するよう重ねて米側に申し入れました。米韓は日本の立場に理解を表明したといいます。
ただ、ヒル氏は記者団に「北朝鮮が義務を果たせば、米国も義務を履行する用意がある」と表明。拉致問題には触れませんでした。
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