2008年5月21日(水)「しんぶん赤旗」
ODA不正経理のPCI社
指名停止中に契約
井上議員追及
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大手建設コンサルタント「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)が、政府開発援助(ODA)事業での不正経理が発覚し、指名停止処分を受けていた二〇〇五年度中も約七十億円ものODA事業契約を続けていたことが二十日、分かりました。
日本共産党の井上哲士議員が参院外交防衛委員会で追及したもので、「これでは処分がしり抜けだ」と批判しました。
同社が契約したコスタリカなどへのODAで不正経理が発覚したのは〇四年。外務省は同年から十八カ月間の指名停止処分を行っています。
井上氏は、処分期間のうち〇五年度だけでも、外務省所管の国際協力機構(JICA)などと約六十八億二千万円(二十三件)の契約を続けている事実を示しました。
高村正彦外相は、処分前から調達手続きが開始されていたとして、「指名停止すると事業の遅延をまねく」と答弁。井上氏は「国民の理解は得られない」と批判しました。
さらに、処分中に同社が、国発注の中国遺棄化学兵器処理事業をめぐる架空契約や水増し請求といった不正を行い、元社長が逮捕される事態になっていると指摘し、実態を把握しているのかとただしました。
内閣府の西正典・遺棄化学兵器処理担当室長が「捜査中であり、答弁を差し控える」などと述べたのに対し、井上氏は「事実関係の把握は当然だ。同社が受注してきたODA事業を総点検すべきだ」と主張しました。