2008年5月20日(火)「しんぶん赤旗」
財務省試算2700億円増収
国立大学費を私大並みに
財務省は十九日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政構造改革部会に、国立大学の授業料を私学並みにすれば約二千七百億円の増収効果があるとした試算を示しました。学費軽減を求める世論に真っ向から挑戦するものです。
財務省が示したのは「国立大学法人運営交付金の配分の一例」。この中で、授業料を私学並みにすれば、「最大約二千七百億円の増収効果」があると明記しました。「設置基準を超える教員費の削減」で約二千五百億円の支出減(同資料)が見込まれることとあわせて、〇八年度予算で一兆一千八百十三億円(九十法人)となっている国立大学運営交付金を約六千七百億円まで圧縮できるとしています。
西室泰三財政審会長は同日の記者会見で、「(教育予算について)歳出を増やすような状況にはないといわざるを得ない」と述べました。
同審議会は、二〇〇九年度予算編成に関する意見書(建議)を六月三日に取りまとめ、財務相に提出する予定です。
日本共産党は四月十六日、「『世界一高い学費』を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくすために」と題する政策を発表。国立大学・高専の授業料の減免枠を引き上げ、世帯年収四百万円以下は全員授業料免除にし、私立大学は年収四百万円以下の世帯を減額とする授業料直接助成の制度をつくる―ことなどを求めています。
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