2008年5月16日(金)「しんぶん赤旗」

白衣の怒り

保団連が国会前集会 医師ら廃止訴え

後期高齢者医療制度


 開業医を中心に組織している全国保険医団体連合会は十五日、東京都千代田区の衆院第二議員会館前で、「後期高齢者医療制度の廃止を求める白衣の国会前集会」を開きました。各地の開業医ら約七十人が参加、白衣を着た医師がずらりと並び、マイクで訴えました。


 同連合会会長で眼科医の住江憲勇さん(60)があいさつし、「この制度は、お年寄りにたいし、安上がりの差別・制限医療を実施しようとするもので、許せません。医療現場を担当するわれわれは、この制度のすみやかな廃止、撤廃を要求します」とのべました。

 千葉県の内科医師は「最近、診察室にくるお年寄りは元気がない。『必要な医療をやってもらえないのでは』といわれ、『私どもはそんなことはしない』と説明する。これがいまの診察室での患者と医師の最初の会話です。こんなことをさせる制度は許せません」と話しました。

 大阪府の歯科医師は、新しい入れ歯をつくり、患者のお年寄りに「よかったね」というと、「ちょっと待ってください。年金から保険料が天引きされ、代金を払えるかどうか分からない」といわれたことを紹介。「こんな心配をお年寄りにさせる制度は廃止しかありません」と訴えました。

 横断幕とともに、「姥(うば)捨てを長寿医療というとやら」などの川柳、「生まれた時から年寄りではありません」など反対署名につけられた国民のコメントを並べた看板も掲げられました。

 集会には、日本共産党から石井郁子副委員長(衆院議員)、小池晃政策委員長(参院議員)、穀田恵二国対委員長(衆院議員)はじめ、赤嶺政賢、笠井亮、佐々木憲昭、塩川鉄也、高橋千鶴子の各衆院議員がかけつけました。

 このほか、民主党や社民党、国民新党の各国会議員、笹森清・前連合会長も参加。タレントの稲川淳二さんと、精神科医の香山リカさんが連帯のメッセージを寄せました。



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