2008年5月14日(水)「しんぶん赤旗」
“宇宙軍拡”法案が衆院通過
「平和限定」に背く 共産党は反対
「非軍事」に限定されてきた宇宙開発について、その軍事利用に道を開く宇宙基本法案が十三日の衆院本会議で、自民党、公明党、民主党、国民新党の賛成多数で可決、衆院を通過しました。
日本共産党と社民党は反対しました。
一九六九年の衆院本会議で採択された決議は、宇宙開発のあり方について「平和の目的に限り」と明記。
にもかかわらず法案は、宇宙開発利用について「安全保障に資する」と書き込み、公然とした軍事利用を可能にしています。
同法案にかかわって、与党は昨年六月に最初の宇宙基本法案を国会提出していました。九日になって与党は衆院内閣委員会で同法案を撤回し、自民、公明、民主の三党が、軍事利用に道を開く点では何も変わらない新法案を共同提出。九日の同委員会で、わずか二時間質疑しただけで採決を強行しました。
自民党国防族、防衛省幹部、軍需企業でつくる「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」は報告書で、米国の先制攻撃戦略の一環である「ミサイル防衛」システムのための宇宙利用や、自衛隊が海外で活動するための通信衛星などの必要性を強調しています。
日本共産党の吉井英勝議員の追及(九日の衆院内閣委員会)に対し、新法案を提案した自民党の河村建夫議員は、今回の法案に基づき、こうした宇宙利用も否定しない考えを示しています。