2008年5月12日(月)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療

75歳以上の人間ドック

市町村8割 助成廃止


 後期高齢者医療制度の実施にともない、七十五歳以上の人が受ける人間ドックへの助成を行っていた市町村の八割以上が助成を廃止したことが、厚生労働省のまとめで分かりました。健康維持と病気の早期発見につながる人間ドックも年齢で差別する後期高齢者医療制度の問題点が浮き彫りになっています。

 人間ドックへの助成は市町村が運営する国民健康保険組合がそれぞれ行い、国保加入者のドック受診費用の一部を補助する仕組みです。四万数千円程度の費用の半額以下で受診できる自治体もあります。厚労省によれば、二〇〇七年度に千百六十二市町村が助成事業を実施。うち七百二十三市町村が七十五歳以上の人を対象にしていました。

 しかし、〇八年度からは、五百八十二市町村が七十五歳以上への助成を廃止。引き続き実施する市町村は百四十一へと激減しました。廃止した市町村の多くは、七十五歳以上が国保から脱退させられ、後期高齢者医療制度に移行したための措置とみられます。

 都道府県ごとにみると、六十三自治体で実施していた埼玉が六へ、五十自治体で実施していた北海道が五へと激減。大阪では二十八自治体からゼロになりました。宮城、福井、三重、滋賀、岡山、徳島、高知、福岡、佐賀、長崎も実施自治体がゼロになっています。



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