2008年5月2日(金)「しんぶん赤旗」

対北朝鮮

「テロ支援」解除用意

米国務省報告書で示唆


 【ワシントン=鎌塚由美】米国務省は三十日、テロに関する二〇〇七年版の報告書を発表し、北朝鮮、キューバ、イラン、スーダン、シリアの五カ国を引き続き「テロ支援国家」に指定しました。北朝鮮に関する記述には、新たに「米国は非核化における北朝鮮の行動と並行する形で、また米国の法律に示された基準に従い、指定解除に関する約束を果たす意思を再確認した」と追加。北朝鮮が六カ国協議の合意である核計画の申告などを履行すれば、テロ支援国指定を解除する用意があること示唆したものです。

 国務省の対テロ対策責任者のデーリー調整官は記者会見で、北朝鮮からの完全な申告を待っている過程であり現時点では「北朝鮮からの確約がまだない」と説明しました。日本人拉致問題の解決については「重要だ」と述べながらも、日本と北朝鮮の「二国間協議の場がある」と指摘し、日本との協議で北朝鮮が「誠実」な態度を示すことに期待を表明しました。

 今回の報告書では、このほか、〇六―〇七年の世界各地でのテロ事件の傾向を集約。イラクやアフガニスタンでの国際テロ組織アルカイダの活動は「米国とその同盟国にとって最大の脅威」と規定し、パキスタンの部族地域を拠点にしているアルカイダは、この間、パキスタンでのテロ攻撃を「倍加」させ、テロによる死亡者は「三倍化」したと報告。アフガニスタンでのテロ攻撃は「16%増の千百二十七件だった」と述べました。



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