2008年4月18日(金)「しんぶん赤旗」
在日米軍
レジャーも日本負担
07年度 有料道代8億8000万円
井上議員が告発
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米兵がレジャーで使う有料道路料金まで日本の税金で負担―。こんな異常な実態が十七日、分かりました。日本共産党の井上哲士議員が参院外交防衛委員会で明らかにし、告発しました。
在日米軍の特権を定めた日米地位協定は、米軍が有料道路を使っても、料金が課されないと定めています(第五条)。米軍当局が「軍用車両有料道路通行証明書」を発行し、料金が免除される仕組み。免除された料金は日本政府が肩代わりして支払っており、〇七年度には約八億八千万円(見込み額)もつぎ込んでいます。
日本政府は、この肩代わりは「公務」の場合に限られるとしています。
井上氏が質問で示したのは、米軍横田基地(東京都)で行われている「ヨコタツアー」というバスツアーです。案内リーフでは、東京ディズニーランドなどの観光旅行を募集しています。
井上氏が、こうした観光バスの有料道路料金も肩代わりしているのかとただしたのに対し、防衛省の地引良幸地方協力局長は「問題ない」と述べました。
さらに、同基地で貸し出しているレンタカーの賃貸契約の際も、米兵は必要な枚数だけ証明書を受け取れます。レンタカーの宣伝のホームページには「日本は、歴史と文化が豊か。休日や夏休みのピーク時には予約でいっぱいになります」とまで書かれています。
井上氏は「全くの私的な使用でも使い放題だ。国民の税金をつぎ込むことは許されない」と批判。高村正彦外相は「『公務』にあたるか、米側と話してみたい」と述べました。
米軍に150億円
有料道路料金の負担
井上議員の請求に政府が18年分資料
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在日米軍が使った有料道路や民間港湾・空港の料金を日本政府が負担している問題で、記録が残っている一九九〇年度からの十八年間の総額が約百四十九億円に達することが十七日分かりました。防衛省が日本共産党の井上哲士議員に示した資料で明らかになったものです。(表)
在日米軍の特権を定めた日米地位協定は、米軍が道路の使用料、港湾の入港料、民間空港の着陸料を支払わずに使用できることを定めています。政府は、同条項を根拠に、こうした経費を負担し続けてきました。
約百四十九億円のうち、有料道路料金が約百四十六億九千万円でほとんどを占めます。このほか、港湾の入港料は約一億四千万円、民間空港の着陸料が約三千万円です。
有料道路料金は、九〇年度は約五億円でしたが、〇二年度には十億円を突破。以降、十億円近い額が続いています。
在日米軍に対する日本側負担には、このほか「思いやり予算」(〇八年度予算で二千八十三億円)、沖縄の米軍基地を県内でたらい回しにするSACO経費(同百八十億円)、在日米軍再編経費(同五百二十一億円)があります。
「思いやり予算」については、日本側で負担するための日米特別協定を三年間延長する新協定が参院で審議中です。
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