2008年4月10日(木)「しんぶん赤旗」

中小企業の親族給与

必要経費と認めよ

吉井議員要求


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(写真)質問する吉井英勝議員=9日、衆院経済産業委

 日本共産党の吉井英勝議員は九日の衆院経済産業委員会で中小企業の後継者問題を取り上げ、事業承継しやすい仕組みの整備とともに、親族への給与を必要経費と認めない所得税法五六条の廃止を求めました。

 吉井氏は、中小企業の後継者問題は「『ものづくり』の継承など日本経済にとって深刻な問題になっている」と指摘。中小企業の自社株の相続税の80%の支払いを猶予することを柱とした「中小企業事業承継円滑法案」について、「猶予期間の弾力的運用など、きめ細かい支援が大事だ」と強調しました。

 そのうえで、欧州連合(EU)では「小企業はヨーロッパ経済の背骨」と位置づけて自営業者数を増やしているのに、日本では「市場原理」の名で切り捨ててきたと指摘。欧米では親族への給与も必要経費と認められているとし、「五六条で認めないのは戦前の家制度のなごり。一人ひとり独立した人格と尊重するなら、同一生計であっても対価を支払うのは当たり前だ」と主張しました。

 財務省の川北力審議官は、白色申告に比べ手間のかかる青色申告なら必要経費になると答えました。

 吉井氏は「どちらを選ぶかは納税者の自由。パソコン会計の普及などで両者に実質的な差はなくなった」と述べ、「行政的に差別する理由があるのか」と追及。親族への給与が必要経費と認められないために下請け工賃が低く抑えられ、さらに親族の損害保険の保障日額が専業主婦の半分以下という実態があることも示し、「親族への対価は、適正であれば必要経費と認める世界標準の仕組みに改めるべきだ」と求めました。

 甘利明経産相は「理屈を整理したうえで形態を考えることは、あらゆる税制で取り組んでいく」と述べました。


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