2008年4月9日(水)「しんぶん赤旗」
卑劣な捜査手法改めよ
仁比氏 冤罪「引野口事件」で追及
参院法務委
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日本共産党の仁比聡平議員は八日の参院法務委員会で、二〇〇四年三月、実兄殺害と放火容疑で北九州市の片岸みつ子さんが逮捕された冤罪(えんざい)事件「引野口事件」を取り上げ、卑劣な捜査手法の問題を明らかにしました。
福岡地裁小倉支部の三月五日の無罪判決は、「捜査機関は、同房者を通じて捜査情報を得る目的で、意図的に同房状態にした」と、代用監獄にスパイ目的に女性を送り込んだことを認めました。
さらに「本来取り調べと区別されるべき房内での身柄勾留(こうりゅう)が犯罪捜査のために濫用(らんよう)された」とし、福岡県警の捜査手法を「虚偽自白を誘発しかねない不当な方法」と批判しています。
仁比氏は、片岸さんが「夫まで共犯者扱いされ厳しい取り調べのあと自殺に追い込まれ、長男は私の無実をはらすため仕事を失った。家族の時間を返してほしい」と述べたことを紹介。「代用監獄での身柄拘束を濫用し、『犯行告白』をねつ造するような卑劣な捜査手法が、家族の人生を台無しにしている」と指摘し、代用監獄を廃止するよう迫りました。
鳩山邦夫法相は、「ご家族の人生まで破壊されてしまうことが十二分にあり得る。そういうことが二度とないように厳しく指導したい」と答えました。