2008年4月5日(土)「しんぶん赤旗」
諫早干拓
「開門調査で漁業被害」と偽装
疑い濃厚 報告書公表を
吉井議員追及
長崎県諫早湾干拓事業の短期開門調査(二〇〇二年)による「漁業被害」補償の問題で、日本共産党の吉井英勝議員は四日、衆院内閣委員会で、農水省が「漁業被害」を開門調査によるものと判定した調査報告書の公表を重ねて要求しました。
吉井議員は、一九九七年に諫早湾を閉め切り、淡水化した潮受け堤防の水門からは通常も汚れた水が排水されているとして、通常排水による漁業被害をただしました。農水省農村振興局の斎藤晴美整備部長は、水門からの通常排水による「直接的影響はない」と答弁しました。
吉井議員は、短期開門調査当時だけ漁業被害があると判断した「開門調査に伴う事前事後調査委託事業」が随意契約で財団法人「九州環境管理協会」に発注(契約額約千八百五十万円)されていたことを指摘。農水省がかたくなに同調査報告書の公表を拒んでいることにたいして、「この九州環境管理協会とは、諫早湾干拓事業の環境アセスメント(影響調査)も請け負って、『有明海に与える影響はほとんどない』と結論を出していた団体。偽装の疑いはますます深まった」と指摘。漁業被害の原因を短期開門調査と判断した調査報告書の公表を強く迫りました。