2008年4月3日(木)「しんぶん赤旗」
諫早湾干拓
農水省が偽装の疑い
短期開門調査時 漁民は“魚とれた”
吉井議員追及
諫早湾干拓事業による有明海の漁業被害問題で、農水省が潮受け堤防の水門を開放しない根拠としている短期開門調査当時(二〇〇二年)の農水省の六千万円の漁業補償について“偽装被害”の疑いが二日、浮上しました。日本共産党の吉井英勝議員が衆院内閣委員会でとりあげたもの。
吉井議員は、農水省が潮受け堤防の「水門を開けると予期しない漁業被害が発生する」と主張していることにたいして、具体的な被害例の事実をただしました。
農水省農村振興局の斎藤晴美整備部長は、潮受け堤防内の水位を基準から一メートル低く保つために、二つの水門を開き諫早湾に排水をおこなってきたことを認めました。排水による漁業被害について漁民にはこれまで被害はないと繰り返してきました。ところが「実態を調べてみないと、手元にデータはない」と答弁。その一方で、斎藤氏は、〇二年四月の短期開門調査で六千万円の漁業補償をした農水省の調査結果の公表を拒みました。
吉井議員は「潮受け堤防内の排水で漁業被害がないといいながら、短期開門調査時にだけは被害がでたというのは不可解だ」と指摘。水門に近い諫早市小長井漁協の複数の漁民が「短期開門調査のさい、養殖アサリや魚などの漁業被害はまったくなかった。むしろ大きなアサリがたくさんとれた。魚もたくさんとれた」と語っていることを紹介。「死んだアサリをまいて写真をとったという話も聞いた。漁業補償金をだしたのは漁業被害の偽装ではないか」とただし、短期開門調査時の漁獲量調査の公表を迫りました。この問題は理事会で協議することになりました。