2008年4月2日(水)「しんぶん赤旗」
後期高齢者医療制度始まる
長寿に酷な春
志位委員長先頭に全国いっせい宣伝
七十五歳以上のすべてのお年寄りから保険料を取り立て、受けられる医療サービスを制限する後期高齢者医療制度が一日、始まりました。
■年金から天引きひどい ■夫婦で別の保険なんて
各地の病院や診療所では専用の相談コーナーを設置したり、窓口の職員を増やしたりして対応に追われました。届いた「後期高齢者医療被保険者証」を手に、「これはどう使うのか」「保険料をとられるのか」などと質問するお年寄りが相次ぎました。
日本共産党は志位和夫委員長が東京・新宿駅前で中止・廃止に全力をあげる決意を表明、市田忠義書記局長、小池晃政策委員長ら党幹部を先頭に各地で街頭宣伝をし、署名を呼びかけました。
社会保障推進協議会や全日本民主医療機関連合会など諸団体も、各地で宣伝・署名行動を展開しました。
東京都豊島区の巣鴨地蔵通り商店街では、約一時間で百十一人が署名に応じるなど怒りの大きさが示されました。宣伝に耳を傾けていた女性(82)は「息子の扶養を受けて保険料を取られていなかったが、これからは年金から天引きされるんだって。年寄りいじめの制度だよ」と話していました。
世代こえ撤回へ力を
志位委員長先頭に全国いっせい宣伝
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日本共産党の志位和夫委員長は、東京・新宿駅西口の緊急街頭演説で、「国から棄(す)てられる」という高齢者の怒りの声を紹介するとともに、「制度への怒りは負担増だけではない」と指摘。七十五歳以上のお年寄りが、従来と別枠の保険に囲い込まれ、保険料は天引きされ、保険のきく医療は制限されることなど制度の仕組みを告発しました。
「差別はあらゆる問題に及ぶ」と、健康診断から、外来、入院、さらに終末期医療、葬祭費に至るまで差別されることを告発。「長生きへの“懲罰”そのものだ」と批判しました。
志位氏は、いまの政府には「どうせ治らない、いずれ亡くなるとばかりに医療費の節約のためにお年寄りを差別する思想がある」と指摘。いま対象年齢となるお年寄りだけでなく、「すべての国民が七十五歳で『国から棄てられる』のがこの制度だ」と告発しました。
その上で、この制度は「中途半端な見直しでごまかせるような代物ではない」と指摘。きっぱり撤回させるために政治的立場の違いや世代の違いをこえ、「力を合わせよう」と呼びかけました。
社会保障財源については、軍事費と大企業・大資産家減税にメスを入れる立場を述べるとともに「消費税増税には絶対に反対だ」と強調。「『福祉のため』がうそだったことは二十年目のきょう、最悪の福祉破壊法が実施されたことにも象徴されている」と訴えました。
高橋千鶴子衆院議員も演説に立ちました。