2008年3月28日(金)「しんぶん赤旗」
“救急のため”と国交省いうが
道路より医師増やせ
参院委で山下氏
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日本共産党の山下芳生議員は、二十七日の参院総務委員会で質問し、道路特定財源を一般財源化して深刻な医師不足対策にあてるべきだと要求しました。
山下氏は、冬柴鉄三国土交通相が衆参予算委員会で示した国交省作成のパネル資料について質問。同資料では、「救急病院に行く生活道路の整備」が必要だとして、奈良県十津川村の例をあげています。同村から拠点病院のある五條市の救急病院まで、搬送に要する時間を九十分とし、「都会では救える命も救えない」としています。
しかし、資料で拠点病院とされる五條市の奈良県立五條病院が、医師不足のために二年前から分娩(ぶんべん)診療を中止。その結果、出産する人が大和高田市立病院に集中しましたが、同病院も産科医師が三人体制という実態から対応しきれず、お産の受け入れを「地域限定」で認める措置を続けています。
山下氏は「拠点病院に行く道路がいくら整備されても、医師がいなければ命は救えないのではないか。こうした実態を知っているのか」と追及。平井たくや国交副大臣は「医療機関がどうなっているのかは把握していません」と答弁しました。
山下氏は「病院がどんな事態になっているのかまともに調査もしないで、ただ道路が出来さえすれば命が救えるような宣伝をするのは不謹慎だ」と指摘。「深刻化する医療問題の原因は医師不足と経営困難。道路ができていないからではない。道路にしか使えない道路特定財源を、一般財源化して医師不足解決に使った方が、救える命を救うことになる」と迫りました。
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