2008年3月26日(水)「しんぶん赤旗」
再生紙偽装
再発防止策とれ
参院委で市田氏 環境相「社会的責任ある」
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日本共産党の市田忠義議員は二十五日の参院環境委員会で、再生紙偽装問題を取り上げ、リサイクルに取り組む国民を欺く製紙業界の体質を追及し、国による原因解明と再発防止策を求めました。
市田氏は、製紙会社二十四社中十七社で古紙配合率の偽装が行われていたと指摘。日本製紙連合会が今年一月二十五日、環境省などに報告した古紙配合率に関する実態調査結果を示しました。
この調査で、日本製紙連合会は偽装の原因について「良質な古紙の入手が難しくなるなか、技術的な対応ができなかった」とする一方、北越製紙の社長は「仕様確認をおろそかにしたまま受注する営業部門の売り上げ重視の姿勢」から、「売り上げシェアを維持するため」だったと回答しました。
市田氏は、「環境に配慮するかのような顔をしながら、利潤追求のために偽装していたことをみずから告白するものだ」と指摘。「偽装を技術問題にすりかえるのは言語道断」と批判し、政府の見解を求めました。
鴨下一郎環境相は、「善意で無償でやってきた国民のみなさんのリサイクル・マインドを著しく損なったことが一番罪が重い。技術で言い訳をする話ではない。(事業者は)社会的責任を負ってもらいたい」と答弁しました。
市田氏は、「産業界の公害防止対策が後退するなかで、営業利益を優先して、長年の偽装を放置してきた。その企業の責任は大きい。十分な原因解明と厳しい再発防止措置を講じるべきだ」と強く求めました。