2008年3月20日(木)「しんぶん赤旗」
学習指導要領改定案
詰め込み教育の復活
石井議員 学校の自主性尊重せよ
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日本共産党の石井郁子議員は十九日、衆院文部科学委員会で質問し、政府が二月に公表した学習指導要領改定案の問題点をただし、「撤回して国民的に議論するべきだ」と求めました。
一九九八年に告示された現行学習指導要領は、それまでの学習指導要領(八九年改定)が「詰め込み教育」と批判されたのを受け、小中学校の理数系の内容を三割程度削減。小学校算数でみると、「不等号の式」など十項目を削減し、「時間の読み方」「ミリリットル、デシリットル」など二十三項目が上の学年に移行しました。
石井氏は、今回の改定で、削減・移行した項目のほとんどが八九年改定のレベルに戻されていることを具体例をあげて指摘しました。さらに算数、数学の授業時間が大幅に増加し、八九年改定時と同じ時間数となっていることを示し、「これでは詰め込み教育の復活だ。新幹線授業といわれ、子どもたちがついていけないと悲鳴をあげた事態をくりかえすのか」と迫りました。
石井氏は、学力世界一のフィンランドでは、学習指導要領が自治体や地域のカリキュラム策定の基礎としての位置づけであることを紹介し、「国が学校の教育課程を縛りつけるのでなく、こどもの実態に応じた授業ができるよう各学校の自主性を尊重し、創意工夫にまかせるべきだ」と主張しました。
渡海紀三朗文部科学相は、「学習指導要領は学校で教える指針を示した最低基準。指導方法はあくまで例示で、現場で創意工夫してやってもらいたい。各学校でさまざまな努力がされるのを見守っていきたい。おちこぼれという児童が出ないよう努力したい」と答弁しました。
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