2008年3月19日(水)「しんぶん赤旗」
漁船排除の米演習域
井上議員廃止要求 日本が20億円漁業補償
日本共産党の井上哲士議員は十七日の参院予算委員会で、イージス艦「あたご」が漁船に衝突した事件との関連で、現場付近に、自衛隊だけでなく、米軍の演習海域(チャーリー海域)まであることを告発し、その廃止を求めました。
海域は、日本が米軍に占領されている間に設定され、一九五二年の日米合意後も引き続き米軍が使い続けています。そのため、豊かな漁場にもかかわらず、年間を通じて漁船が侵入禁止になっています。
井上氏は、全国の米軍演習海域で日本が支払っている漁業補償額をただしました。防衛省の地引良幸地方協力局長は、二〇〇二年度が二十九億六千二百万円で、〇六年度でも十九億八千九百万円に達することを明らかにしました。
井上氏は、米軍の訓練のために日本が補償費まで負担している異常さを指摘。演習区域だけでなく、東京湾の入り口の横須賀に軍港があり、米空母の母港になっていることをあげ、「(このままでいいのか)今問いなおすべき時期だ」と強調しました。
石破茂防衛相は「首都に近いということ、整備能力などいろんな観点から、横須賀に(米軍基地を)置いている」と開き直りました。
井上氏は「人口密集地の首都近くに外国の基地があること自身が、世界的にみて、きわめて異常だ」と軍事優先を批判しました。
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