2008年3月19日(水)「しんぶん赤旗」

米軍「思いやり」廃止を

衆院本会議で赤嶺議員要求

新協定審議入り


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(写真)質問する赤嶺政賢議員=18日、衆院本会議

 在日米軍への「思いやり予算」に関する日米特別協定を三年間延長する新協定の趣旨説明と質疑が十八日、衆院本会議で行われました。質問に立った日本共産党の赤嶺政賢議員は、米海兵隊員による女子中学生暴行事件(二月)をはじめ、沖縄県民を苦しめてきた基地の重圧を告発。こうした米軍駐留を支えてきた「思いやり予算」と特別協定について「きっぱり廃止を」と要求しました。

 沖縄が米軍占領下にあった一九五五年、当時六歳の永山由美子ちゃんが米兵に暴行されたあげく殺害され、米軍のごみ捨て場で、唇をかみしめ、右手に雑草を握りしめた姿で発見された事件が起きました(「由美子ちゃん事件」)。赤嶺氏は、沖縄が七二年に日本国憲法下に復帰した後も、このような「基地の島」の現実は変わらず、さらに名護市辺野古への新基地建設まで狙っていることを告発。その計画の撤回とともに、「基地ある限り、米軍犯罪はなくならない。基地の縮小・撤去に踏み出すべきだ」と求めました。

 こうした米軍駐留を支えてきた「思いやり予算」は、二〇〇八年度で負担を開始して三十年になります。米軍の特権を定めた地位協定でさえ、駐留経費は米国負担だと明記しているにもかかわらず、日本政府は米国の要求に応え、負担範囲を拡大し、七八年以降の負担総額は五兆円を超えました。

 赤嶺氏は、福田康夫首相が訪米時に米国に減額要求さえしなかった異常さを批判。しかも政府が、「思いやり予算」にとどまらず、在日米軍再編計画の費用負担にも踏み出していることに対し、その撤回を求めました。

 町村信孝官房長官は「思いやり予算」について「日米安保体制の円滑かつ効果的な運用に重要な役割を果たしている」と開き直りました。

 民主党の近藤昭一議員は、「思いやり予算」について「政府はいつまで説明のつかない税金の支出を続けるのか」と批判しました。同党は〇六年に現特別協定の国会承認の際、賛成しています。



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