2008年3月1日(土)「しんぶん赤旗」
自公が予算案 衆院強行
社会保障を抑制 特定財源は温存
共産党は徹底審議求める
自民、公明の与党は、二十九日深夜の衆院本会議で、二〇〇八年度予算案とガソリン税の暫定税率十年延長を盛り込んだ租税特措法改定案を含む歳入・税制関連法案の採決を強行し、可決しました。日本共産党は笠井亮議員が反対討論をおこないました。民主党、社民党、国民新党は、本会議を欠席しました。
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反対討論で笠井氏は、徹底審議を確認した衆参両院議長のあっせん(一月)の精神を踏みにじって予算案や歳入関連法案を与党が一方的に採決したと指摘。道路特定財源問題では、「『道路中期計画』をはじめとする政府の際限のない道路づくりの矛盾と破たんは明白だ」と強調しました。
予算案について、社会保障費の自然増分を毎年二千二百億円抑制する路線の継続や後期高齢者医療制度の導入などを厳しく批判。イージス艦衝突事故では「防衛省・自衛隊の軍事優先・隠ぺい体質が浮かび上がった」として、真相解明に背を向けたまま、約五兆円の軍事費を押し通そうとしていると告発しました。
本会議に先立つ予算委員会では、委員長職権で予算案の締めくくり総括質疑と採決を強行。日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党四党は、審議が尽くされていないと抗議、理事会協議を求めましたが、委員長は「決まったことだ」と受け付けなかったため、野党四党は退席しました。
議長あっせんを踏みにじる暴挙
志位委員長会見で批判
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与党が衆院本会議で二〇〇八年度政府予算案と歳入関連法案の採決を強行したことを受け、日本共産党の志位和夫委員長は二十九日深夜、記者団に問われ、次のようにのべました。
――政府予算案と歳入関連法案が衆院通過しましたが。
道路特定財源、イージス艦衝突事故、貧困と格差―どの問題でも、自公政治が大きく破たんし、本格審議はこれからという段階で審議を断ち切り、採決を強行した自公両党に厳しく抗議したい。
とくに、各党に徹底審議を求めた衆参両院議長あっせんを踏みにじる暴挙だと強く抗議したい。
私たちは参院でおおいに論戦に引き続きとりくみ、院外の国民運動とも連携し、いまの自公政治の問題点を究明し、政治の転換を求めていきたいと思っています。
――これで議長あっせんが白紙に戻ったと考えるのか。
私は「踏みにじる」といいましたが、これで議長あっせんが白紙に戻って、反故(ほご)になったと私どもの方から言うつもりはありません。
むしろ、議長あっせんをしっかり守らせる―すなわち、議長あっせんは「徹底した審議を行う」ということを各党に求めているわけですから、徹底した審議を参院の場において求めていくというのが私たちの立場です。