2008年2月4日(月)「しんぶん赤旗」
道路特定財源
59兆円「中期計画」
閣議決定にも反する
NHK討論で小池政策委員長
一般財源化を要求
日本共産党の小池晃政策委員長は3日のNHK「日曜討論」に出席し、通常国会で焦点となっている道路特定財源問題について各党代表と討論しました。
政府が国会に提出した租税特別措置法改定案は、ガソリン税などの暫定税率を十年間延長することを盛り込んでいます。与党出席者は、「地方への影響を考えた場合、暫定税率を維持せざるを得ない」(公明党・高木陽介党国土交通部会長)と暫定税率の延長を合理化しました。
小池氏は、年金や医療、介護など国民生活が大変な状況になっていることをあげ、道路にしか使えない道路特定財源から「道路にも使えるし、暮らしのためにも使える一般財源にすべきだ」と主張。「暫定税率はムダな道路づくりを支える仕組みになっており、やめるべきだ」と述べました。
小池氏は、暫定税率を維持しようとする大本には、十年間で五十九兆円を使い切る「道路中期計画」があると指摘。「総額先にありきでなく、本当に必要な道路を吟味し、一つ一つ積み上げていくやり方に変えるべきだ」と計画の撤回を求めました。
「通学路の整備やバリアフリー対策なども全部やめるのか」(自民党・与謝野馨前官房長官)という議論についても、小池氏は、特定財源のうち通学路の歩道整備は4%、バリアフリー化も2%にすぎないと指摘。生活幹線道の名で進められている京都高速などを含めれば、五十九兆円の半分近くが高速道路建設であることを明らかにし、「通学路の歩道整備とかバリアフリー化、防災対策などを重点的にやっていけば、もっと小さい規模でできるはずだ」と主張しました。
道路予算だけが特定財源として確保されていることが議論となり、高木氏は「一般財源化できるといいが…」と難色を示しました。
小池氏は、二〇〇二年に閣議決定された「改革と展望」では「公共事業長期計画は、資源配分を硬直的なものとし、経済動向や財政事情を迅速に事業に反映することを困難にしている」として、数値目標をやめると決めていることを示し、「道路だけはいまだに総額五十九兆円の計画になっているのは『特定財源』があるから」として、重ねて一般財源化を求めました。
与謝野氏も、「一般財源の方が、税制の硬直性とか、政策の選択の自由とか、そういうものを実現できるというのは財政学の一番はじめに書いてある話」と述べました。
今後の国会論戦について小池氏は、「一般財源化というのは一度は政府も決定したのだから、これから十年間も続けるのか、徹底的に議論すべきだ」と述べるとともに、ガソリンの高騰対策、環境税の導入などもあわせて議論すべきだと提起しました。
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