2008年2月2日(土)「しんぶん赤旗」
輸入食品の検査強化を
中国ギョーザ中毒 共産党が首相に要請
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被害申告者が約五百人に及ぶなど食の安全を揺るがしている「中国製ギョーザ薬物中毒事件」について、日本共産党国会議員団は一日、岸宏一厚労副大臣に会い、福田康夫首相に対し(1)被害者の救済と被害の拡大防止(2)原因の早急な究明(3)輸入食品の検査率を現行の10%から50%以上に引き上げるなど検査体制の抜本拡充―など七項目を申し入れました。(申し入れ全文)
申し入れには、穀田恵二、高橋千鶴子、吉井英勝各衆院議員、紙智子、山下芳生両参院議員が参加しました。
申し入れでは、事件の背景には日本の食料自給率が39%と、食料の六割以上を輸入に依存しているにもかかわらず、検査体制が貧弱であると指摘。輸入食品の検査率引き上げとともに、検査を行う食品衛生監視員を現在の三百三十四人から抜本的に増員するよう要請しました。
検査率の引き上げについて、岸氏は「気持ちは分かるが、消費者に早く(商品を)届けることとの兼ね合いもある」としながらも、「調査して10%がどうなのか検討したい」と約束しました。
議員団からは、国民の食に対する信頼性を回復するため、原因究明と新たな被害の防止に全力を挙げることを求めるとともに、輸入元の大手商社など企業の責任を明確にすることが必要だとの意見がだされ、岸氏も「責任はある」と応じました。
また、検査結果が出る以前に市場に輸入食品が流通する原因となっているモニタリング検査を見直すよう主張。被害者に対して医療対応を適切に行うことも求めました。