2008年1月25日(金)「しんぶん赤旗」
原油高騰 障害者施設を直撃
作業休止・下請け停止も
9割が「ガソリン代増」
きょうされん緊急調査
原油高騰によるガソリンや生活消耗品の値上げが、障害者施設や作業所に深刻な影響を与えていることが二十四日、全国千九百の作業所・施設でつくる「きょうされん」の調査でわかりました。
原油高騰の障害者作業所への影響についての緊急調査は、昨年の十一月二十一日から十二月三十一日までの期間に実施、「きょうされん」加盟の三百四十施設・作業所が回答しました。
それによると、障害者の移動や送迎に不可欠な車両のガソリン代、トイレットペーパーやペーパータオルなどの消耗品の値上げが、施設の運営費を圧迫しています。「きょうされん」は、作業に関する燃料費や材料費の値上がりで、作業内容の変更や休止、下請け作業がもらえない事態に追い込まれていると指摘しています。
「作業所のガソリン代が増えているか」という質問では、回答のあった二百十八施設のうち92%の二百一カ所が「増えている」と回答。一カ所あたりの平均増額は一万五千八十円になっています。
クリーニング作業や食品加工など作業に関する燃料費が、「増えている」とこたえた作業所は、回答のあった六十三施設のうち、84%の五十三カ所で、一カ所あたりの増額は一万六百八十六円。
小麦粉や大豆など作業に関する原材料費が、「増えた」施設は、回答のあった五十カ所のうち、86%の四十三カ所で、一カ所あたり月平均三万五千四百五十七円となっています。「うちはケーキを作っておりますので、すべての材料代があがり困っております」(広島県)などの声があがっています。
このほか、調理に関するガス・灯油代や食材料費も軒並み増え、「食材料費の値上げによって食材費を一人三十円アップした」(滋賀県)などの例も出ています。
また、灯油などの暖房費の値上げも、寒冷地にある施設や二十四時間の入所施設を直撃し、「このまま施設運営は大丈夫か心配」(北海道)、「寒冷地補助をお願いしたい」(熊本県)と自治体に補助を求める声が多く出ています。
「きょうされん」は、結果を踏まえて厚生労働省やエネルギー関連部署、自治体などの関係行政機関に救済・支援策を求めていくとしています。
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