2008年1月14日(月)「しんぶん赤旗」
久間元防衛相が代表の情報会社
本社の実体なし
住所は贈賄罪の秘書自宅
自民党の久間章生元防衛相が、みずから代表取締役を務め、長野県軽井沢の別荘を「研修所」として会費集めをしていた疑いが持たれている軍事情報提供会社の本社住所となっているマンションの一室は、久間氏の私設秘書の自宅であることがわかりました。同秘書は二〇〇四年に贈賄事件で有罪判決を受けています。
この会社は、有限会社「アイメック」。法人登記簿によると、一九九七年十一月、資本金三百万円で「国際軍事経済情報分析センター」として設立。〇〇年八月、本社住所を東京都中央区八丁堀から同新宿区下落合の八階建てマンションの一室に移し、昨年八月、社名を「アイメック」としました。久間氏は唯一の取締役です。「21世紀に飛躍するニュービジネス、新技術を検討する略称『軽井沢クラブ』」と銘打って、月額十万円の会費を振り込ませる窓口になっています。
本紙の調べによると、下落合のマンション、約百八平方メートルの所有者(持分四分の三)は、久間氏の私設秘書のA氏で、〇〇年四月に購入しています。
当時の新聞報道によると、大分県別府市の経営コンサルタント会社の社長だったA氏は、〇三年八月、福岡県若宮町(現・宮若市)発注の公共工事をめぐる汚職事件で、住友建設(現・三井住友建設)に受注させるよう町長に働きかけ、現金一千万円を渡し、贈賄容疑で福岡県警に逮捕されました。
A氏は、町長や収入役、汚職事件にかかわる公園事業の担当課長ら町幹部十人を別府市内の温泉ホテルで接待し、宿泊費や宴会費などの費用を全額、負担。町長へのワイロもこの旅行の際、渡したといいます。
福岡地裁飯塚支部は、〇四年一月、「入札制度を大きくゆがめた責任は重大」と指摘し、A氏に懲役一年六月(求刑同二年)の実刑判決を言い渡しました。同年十月、福岡高裁も同支部判決を支持し、A氏の控訴を棄却しています。A氏の名前は、〇三年十月、自民党幹事長代理だった久間氏の暴力団幹部との「黒い交際」疑惑を写真週刊誌が報じた際にも登場します。
下落合のマンションには、「アイメック」の表示はなく、A氏は本紙の質問に、久間氏とは「友人」としたうえで、「アイメックのオフィスに書類上はなっているが、(ここで)業務はやっていない。経営にも携わっていない」とのべました。
久間氏は、「軽井沢クラブ」での会費集めについての本紙の質問に回答を寄せませんでした。
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