2008年1月9日(水)「しんぶん赤旗」

アメリカ・財界から国民中心へ―政治の軸足の転換を

CS番組 志位委員長が語る

「二大政党」と別の選択肢 聞き手も注目


 日本共産党の志位和夫委員長は八日、CS朝日ニュースター「各党はいま」に出演し、新年に臨む方針などについてインタビューに答えました。聞き手は朝日新聞の曽我豪編集委員。


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(写真)CS朝日ニュースター「各党はいま」で発言する志位和夫委員長=8日

 ――ことしは解散・総選挙含みで有権者にとって大きな選択の年です。

 志位 政治の枠組みの大きな転換が求められていることを訴えていきたいと思います。自民党政治のゆきづまりは、国民だれもが実感しているでしょう。これは、外交ではアメリカ言いなり、内政では大企業中心という政治の古い枠組みがゆきづまったものです。政治の軸足を、アメリカ・財界から、国民中心へと大きく転換させることが必要です。

 ――次の総選挙では、新しい政権をどうつくるか、どういう政策をやるかが問われます。各党とも新しいアジェンダ(実施すべき計画)を国民に示す必要があると思いますが。

政治の中身こそ問われる

 志位 そのとおりですね。今度の総選挙は、自民党政治にかわる政治の中身が問われます。政権の担い手や組み合わせがどうなるかよりも、自民党政治に代わる政治の中身こそを問わなければなりません。

 たとえば、貧困と格差の根っこには人間らしい雇用の破壊がありますが、これをつくりだした労働の規制緩和を続ける政治でいいのか。消費税率の引き上げは、国民の暮らしや日本経済に破壊的な影響を及ぼすもので私たちは反対ですが、自民も民主も将来の税率引き上げに踏み込む方針を示しています。中身をよく見きわめて選んでほしいと思います。

 ――自公に代わる政権の枠組みで何をやるのか、共産党の存在は大きくなると思います。「二大政党」といいつつ、「ルールなき資本主義」の問題でも自民と民主は非常に似ている。別の選択肢が出てくるのかどうか、有権者の関心も高いと思います。

 志位 よく国会が「ねじれ」ているといわれますが、自民と民主の両党の間はたいしてねじれていないんですね(笑い)。海外派兵の問題でも、自民党が再派兵の法案を出していますが、民主党の「対案」は、海外派兵の恒久法づくり、陸上自衛隊をアフガン本土に送るなど、もっと派兵を拡大する危険な内容です。ねじれているのは自民・民主と国民の利益であり、共産党の前進こそがその打開の道です。

 ――臨時国会では、いくつか前進した法案がありました。共産党などとの協議で二大政党の考えが是正される局面があったと思いますが。

 志位 そうです。被災者支援法の改正でも薬害肝炎の問題でも、国民の審判の圧力が強力に働いたのです。世論と運動があって政治が動く。ですから、どの勢力を伸ばしたら一番国民の利益にかなった選択になるかということを、総選挙ではよく見極めて選んでいただきたいと思います。

 ――野党間で、ある種の連立政権構想が浮上してくる可能性はあるのでしょうか。

国民の利益代弁 党の前進を

 志位 私たちが、いまの民主党と政権協力をする条件はありません。憲法の問題でも、大企業・財界との関係でも、根幹の部分が違うわけですから。

 ただ、私たちの党が今度の総選挙で伸びることができれば、国民の立場に立った正論が国会で力を増すことになります。選挙後の政党の配置がどうなろうとも、国民の利益を代弁した日本共産党の発言が政界全体に影響を与え、それを動かす状況が、私たちの前進によってつくられうると思います。

 もちろん、自民と民主が共同ですすめる間違った政治をくいとめるために力をつくします。海外派兵恒久法づくりを接点とした「立法改憲」の動きや、消費税率引き上げを食いとめる仕事は当面の主要な課題です。

 ――二大政党化が言われるなか、比較的小さな政党の存在感が大きくなっているのは面白いですね。

 志位 私たちは、国民の声にそくして現実に政治を動かし、前に進める仕事にとりくみます。同時に、アメリカと財界に軸足を置いた政治を、国民中心の政治にいかに転換するか、太いところで政治を動かすことに全力をあげたいと思います。

 ――なかなか「二大政党」の側が提起しえないアジェンダをどの党が提起していくか、注目していきたいと思います。


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