2008年1月8日(火)「しんぶん赤旗」
二重派遣 各所で横行
グ社共謀 佐川隠し
日雇い拡大 大企業利益
本紙でも昨年報道
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「佐川グローバルロジスティクスですか? 派遣先で『これは佐川の仕事ですか』と聞いても、担当者は何も答えない。集合場所にいっても、ひげをはやしていると、仕事をさせずに帰されたこともある。ひどい会社ですよ」
佐川グローバルロジスティクスが、厚生労働省から事業改善命令を受ける予定だとの通知を受けたことが明らかになった七日、日雇い派遣大手グッドウィルの派遣労働者の男性は、こう振り返りました。
今回の佐川への処分は、直接的には静岡県内でのグッドウィルの日雇い派遣労働者を使った二重派遣にたいしてのもの。しかし、同社は、千葉県内でも二重派遣をするなど、グッドウィルと共謀して、各所で二重派遣を横行させてきました。
本紙は連載「ハケン集う駅――追跡グッドウィルの日雇い」(昨年十月十四日付)で、その一端を報道しています。
この二重派遣は昨年七月のもので、グッドウィル→佐川→ハピネットという三社がかかわっていました。
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このとき、日雇い派遣労働者が就労前にグッドウィルから渡された「お仕事内容確認」という書類。そこには、佐川の名前はなく、最終派遣先の「HP(ハピネット)」の名前だけがあります。
ところが、就労後に受け取る「日給領収伝票」などの書類には「佐川グローバルロジスティクス」の名が出てきます。
グッドウィルや佐川、ハピネットが事前に、違法な二重派遣を知っていたことは明らかです。
今回の厚労省の佐川への処分予定通知は、同省が昨年十二月、グッドウィルに通知した二重派遣などに伴う事業停止命令・事業改善命令の予定に関連したものです。
しかし、二重派遣は、派遣元や一次派遣先、最終派遣先という三社が共謀しておこなうものです。日雇い派遣労働者をモノのように働かせていたのは、実際には最終派遣先です。
本紙報道の二重派遣でも、最終派遣先は、東証一部上場の玩具製造・販売大手のハピネットでした。どこでも最終派遣先には、日雇い派遣の拡大で、もっとも大きな利益を上げている大企業が名前を連ねています。その責任の追及こそ行政に求められています。
(今田真人)
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