2007年12月26日(水)「しんぶん赤旗」
癒着の温床 労務借り上げ
軍需社員に日当13万
防衛省、研究費を実質補助
井上議員が追及
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軍需企業からの労務借り上げが癒着の温床だ―。参院外交防衛委員会で日本共産党の井上哲士議員は二十五日、その実態を示し、防衛省に抜本的な見直しを求めました。
労務借り上げ(技術支援)制度は、同省技術研究本部が装備品の研究開発の試験、設計に関して、軍需企業側から技術者や職員を受け入れ、「日当」として研究費の一部を事実上補助するシステムです。
井上氏は、二〇〇六年度の労務借り上げ上位二十社を同省資料をもとに明らかにしました。石川島播磨重工業、川崎重工業、三菱重工業、日立製作所など大手軍需企業が名を連ねています。
受け入れ職員の合計は四万二千二百五十九人で契約金額は、約四十一億円。「日当」は、日本電気十三万九千五百円、日本油脂十三万七千円と高額になっています。
井上氏は「企業は試作品の試験などで技術力をつけ量産段階で受注できる仕組み。契約金額も企業側のいい値ではないか」と追及。石破茂防衛相は「公正・透明性を確保するため可能な努力をする」と答弁しました。
井上氏は、旧防衛庁装備局長が、開発、生産、修理を一緒に行う企業とは「単なる発注者という関係以上の密接不可分な間柄だ」との雑誌(『月刊JADI』一九九八年五月号)での発言を紹介。「労務借り上げと天下りで癒着構造ができる。制度を抜本的に見直すべきだ」と追及。石破氏は「チェックシステムをきちんと働かせていかないといけない」と答えました。
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