2007年12月12日(水)「しんぶん赤旗」
アフガン
戦争と和解両立せず
山下議員 方針の見直し強調
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日本共産党の山下芳生議員は十一日の参院外交防衛委員会で、アフガニスタンで進みつつある政府とタリバンを含む反政府勢力との和解のプロセスと、米軍などによる掃討作戦は両立しないと厳しく批判しました。
山下氏は、アフガン派兵から六年たって各国が従来の政策を見直し始めているなか、海上自衛隊が帰国し、軍事活動に参加していない今こそ、これまでの方針を見直す時期だと強調しました。
そのうえで山下氏は、和解プロセスのなかで、百人のタリバンが政府側に加わったとカルザイ政権が発表(十一月)したことなども示し、なぜ同政権が和解プロセスに力を入れているのか政府の見解をただしました。
高村正彦外相は「軍事力だけで完全に(テロ問題を)解決するのは難しいとの認識に基づいている」と答弁しました。
山下氏は、ロンドンに本部を置く外交問題のシンクタンクSENLIS評議会の報告書(十一月)が「(アフガンの)人々がタリバンに加わる理由」として、「戦闘の拡大と地方への爆撃によって引き起こされた、きわめて多数にのぼる民間人の殺傷」などを挙げていることを紹介。カタールの大使も国連で「テロリズムとの戦いが行われる中で殺害される無辜(むこ)の市民の数に懸念」を示し、「軍事戦略は、開発と国民和解の計画と整合したものでなければならない」と述べていることを紹介しました。そして、「和解のプロセスと空爆や掃討作戦は両立し得ない」と強調しました。
高村外相は「軍事的掃討作戦を展開するなかで、和平を達成する」などとし、あくまで軍事攻撃に固執。山下氏は「空爆中止こそ現地の声だ」と厳しく批判しました。