2007年12月9日(日)「しんぶん赤旗」

資金パーティー

額賀財務相 5000万円荒稼ぎ

防衛長官時に4回

大臣規範に抵触か


 参加者百八十人で千五百万円の収入、支出はわずか百三十万円―。軍需商社「山田洋行」に、計二百二十万円分のパーティー券を購入してもらっていた額賀福志郎財務相が防衛庁長官在職時に開いた資金集めパーティーの実態が明らかになりました。大規模パーティーを禁じた「大臣規範」に抵触する恐れがあります。


 額賀氏は、二〇〇五年十月三十一日から〇六年九月二十六日まで、小泉内閣で防衛庁長官を務めています。この間、額賀氏の資金管理団体「福志政経懇話会」は、「額賀福志郎君と新しい時代を創造する会」と銘打った政治資金集めパーティーを四回、いずれも東京・港区の東京全日空ホテルで開催しています。

 山田洋行によるパーティー券購入を認めた十一月十九日の参院決算委員会で、額賀氏は、「大臣規範」があることは「承知している」としたうえで、「私がおこなっているのは、朝食勉強会で百人から百二十人くらい」で、「大規模なものではない」と胸をはりました。

 たしかに、福志政経懇話会が総務相に提出している政治資金収支報告書によると、収入が一千万円以下のため、「対価の支払いをした者」の報告義務がなく、参加者数が不明の〇六年九月のパーティーを除くと、“参加者”は、百七十一―二百三十七人と「小規模」です。(表参照)

 ところが、売り上げは、九百六十八万―千八百十万円で、四回あわせて五千七百十万円ものカネを集めています。とても「小規模」とはいえません。パーティー券一枚二万円として、参加者の四倍前後の券を売ったことになります。

 日本共産党の大門実紀史参院議員が同委員会で追及したように、そもそも購入した人数分の参加を想定していない、形を変えた企業・団体献金というべきものです。

 しかも、パーティー券などの印刷費や、会場費をあわせた「開催事業費」は、約百万―約百六十六万円、計五百万円たらずで、収入の一割以下です。

 一方、報告義務のある二十万円超のパーティー券購入者は、四回とも日本医師会の政治団体「日本医師連盟」の四十万円と、製薬企業でつくる製薬産業政治連盟の七十万円だけです。毎回、二十万円分のパーティー券を購入していた山田洋行の名前もありません。

 本紙は自衛隊の装備・弾薬・燃料などを受注している軍需産業大手に、過去五年間に額賀氏ふくむ主要防衛族議員のパーティー券購入の有無について、質問状を出しました。

 「質問状に記載のあった国会議員にかかわらず、パーティー券を購入している場合もあるが、購入内訳についてはご容赦を」(三菱重工業)、「必要最低限のパーティー券を購入しているが、個々の議員の購入実績については回答を控える」(三菱電機)などという回答でした。

 額賀氏は、山田洋行だけでなく、どういう軍需企業にパーティー券購入などの資金提供をしてもらっているのか、職務に関連して便宜を供与したことはないのか―などの説明責任があります。

表


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