2007年12月6日(木)「しんぶん赤旗」
軍事情報会社でカネ集め
久間元防衛相が代表取締役
月10万円 別荘が「研修所」
軍需商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)と、前防衛事務次官の守屋武昌容疑者(63)との宴席に参加していたと指摘されている自民党の久間章生元防衛相が、みずから代表取締役を務める軍事情報提供会社の所有としている軽井沢の“別荘”を「研修所」としてカネ集めをしていた疑いが五日、本紙の調べでわかりました。
この会社は、「アイメック」(東京・新宿区下落合、資本金三千万円)。久間氏が一九九七年十一月、資本金三百万円の有限会社、「国際軍事経済情報分析センター」として設立しました。登記簿謄本によると、「政治、経済、軍事、国際情勢に関する情報提供サービス業」などを目的としています。
同社は、久間氏が唯一の取締役です。二〇〇六年十月、安倍内閣の防衛庁長官に就任後、大臣規範に抵触するためか、取締役を辞任しました。
ところが、“原爆投下しょうがない”発言で初代防衛相を辞任した十日後のことし七月十三日、取締役にカムバックするとともに、社名を「アイメック」に変更、新たな「活動」を始めたのです。
本紙が入手したのは、「管理者 アイメック 代表取締役 久間章生」と記された「入会契約書」。契約書は、「今回設立された21世紀に飛躍するニュービジネス、新技術を検討する略称『軽井沢クラブ』に入会することにし、下記のとおり契約します」として、会費月額十万円を、りそな銀行虎ノ門支店の「アイメック」の口座に振り込むよう求めています。
クラブの「事務所」として記載されているのは、東京・永田町のパレロワイヤルビルです。
入会契約書に「研修所」として記載されているのは、「アイメック」が所有する長野県軽井沢町の別荘。登記簿謄本によると、約千五百平方メートル(約四百五十四坪)の敷地に総床面積約二百九十平方メートル(約八十七坪)、二階建てです。
現地を訪れると、旧軽井沢銀座通りを抜けて、室生犀星や正宗白鳥の文学碑がある近くのややこう配のある別荘地の一画。葉の落ちた木々の向こうに建っていますが、「久間」の表示も、「アイメック」の表示もありません。
地元の不動産業者によると、いま売り出すとすれば、一億円弱といいますが、会社名義の資産は、国会議員の資産公開の対象となっていません。
政権与党の政治家には、さまざまな情報が集中します。ましてや、防衛庁長官や防衛相を歴任してきた防衛族の久間氏には、軍事・防衛情報が集まります。その一方で、軍事情報を提供する会社の代表を務めることは疑いを招くものです。
久間事務所は、本紙の問い合わせに、回答を寄せませんでした。
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