2007年11月18日(日)「しんぶん赤旗」
青年の貧困・長時間労働告発
店の床で寝てる
奨学金卒業時は借金500万円
労組など集会
「青年にまともな雇用もない、あるのは貧困だけか」―若者に広がる貧困を告発する集会が十七日、東京都内で開かれ、連帯して貧困をなくすたたかいを交流しました。全労連青年部、日本高等学校教職員組合などでつくる高校・大学生、青年の雇用と働くルールを求める連絡会の主催。
「夢を抱いて美容室に就職したのに長時間労働で家にも帰れず、店の床で寝ている」。こう報告したのは、首都圏美容師ユニオンの柳勝也さん。同僚が泣く泣く辞めていったとのべ、「青年を使い捨てにするやり方は許せない」と語りました。
「就職した卒業生十六人のうち十三人が長時間労働などが原因で離職している」と深刻な実態を報告したのは京都府立高等学校教職員組合の組合員。在学中から労働法を教え、働くルールを守らせる社会的な運動が必要だとのべました。
全学連の代表はアルバイトに追われる大学生の実態を紹介し、「有利子の奨学金を受けると、卒業時に五百万の借金を背負って社会に出ることになる」と告発しました。
大阪北河内地方では地域の労組が「高校生の就職問題を考える会」をつくって自治体にも働きかけ、雇用を増やす世論を広げています。府立高等学校教職員組合の代表は「若者雇用を増やすことが地域の活性化につながる」と強調しました。
日本青年団協議会の代表は、雇用破壊が青年団活動を困難にし、地域を疲弊させていると指摘。「有給教育」制度の実現や労働相談活動に取り組んでいるとのべました。
「初めての団体交渉で運送会社の不当解雇を撤回させた」と発言したのは山梨青年ユニオンの代表。「団体交渉ができる労働組合の力は大きい。全国の青年ユニオンと力を合わせて変えていきたい」とのべました。
集会では、NPO法人もやいの湯浅誠事務局長が、雇用や社会保障のセーフティーネットを立て直そうと訴えました。
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