2007年11月16日(金)「しんぶん赤旗」
なくそう医師の過労死
弁護団 医療現場改善でシンポ
過労死弁護団全国連絡会議は(松丸正代表幹事)十四日夜、東京都千代田区で、シンポジウム「なくそう!医師の過労死――過酷な医療現場の改善をめざして」を開きました。医療関係者や弁護士、過労死した勤務医の遺族ら約百三十人が参加しました。
シンポでは、産婦人科医で昭和大学主任教授の岡井祟さん、小児科医でちばこどもクリニック院長の千葉康之さん、ジャーナリストの塚田真紀子さん、弁護士の松丸正さんがパネリストとして講演。
岡井さんは、急速に進む産婦人科医の減少の原因について月平均六・三回の宿直などの過酷な労働実態があることを指摘。「宿直明けの日は休ませるなど、勤務医の労働条件の改善が急務だ」とのべました。千葉さんは、小児科医の宿直時の健康調査を紹介。「睡眠不足による医療事故を回避するには、働いたら休むという当たり前のことを医師にもできるようにすること」と強調しました。
塚田さんは、月二百時間以上の時間外労働をして過労死した研修医の労働実態などを報告。「過労死をなくすには人件費を惜しまず、病院が余裕を持って医師を雇えるようにすること。患者も疲れ切った医師の手術を受けたくはない。医師の命を守ることは患者の命を守ることだ」と話しました。
松丸さんは、宿日直勤務による長時間労働が横行する勤務医の実態について「医師は標準の勤務時間が過労死ラインを超える特異な業種」と批判。「労働基準法をしっかり守らせることによって、医療を守る取り組みが必要だ」と訴えました。
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