2007年11月8日(木)「しんぶん赤旗」
検査間隔のばすな
吉井議員 現行でも事故多発
原発管理
原発の定期検査の間隔を現在の十三カ月から最長二十四カ月に延長できるよう、経済産業省が制度を変更しようとしているのは、早期発見・早期対策への逆行だ―。日本共産党の吉井英勝衆院議員は七日、衆院内閣委員会で政府の姿勢をただしました。鈴木篤之原子力安全委員長は、早期点検の重要性を認めました。
吉井議員は、再循環ポンプ損壊事故や配管破断事故、新品パイプに交換して九カ月で穴が開いた事故など、現行制度のもとでも(定期検査後十三カ月以内に)、各原発で事故が相次いでいる実例を示し、原子力安全委員会事務局長もこれらの事実を認めました。
そのうえで、吉井議員は「巨大地震動に遭遇したら、同時多発で大きな事故になってしまう。だから、早期に点検して、減肉や腐食や金属疲労などの異常を見つけて対策をとることが大事だ」と指摘しました。
鈴木委員長は「おっしゃるとおりだと思う。これまでも定期的な検査を通じて事業者と規制当局がルールどおりの検査をしているが、(指摘のような事故が)実際問題として起きているので、検査そのものをより進んだものにしていく必要がある」と述べました。
吉井議員は、定期検査の間隔を延長して二年連続運転を認めようとする経産省の動きを批判。内閣府防災担当の泉信也特命担当大臣にたいして「点検を甘くしないで、住民に被害が出ないよう健全な機器にさせておく必要がある」と求めました。泉大臣は「安全にたいしては、厳重な検査・チェックをやっていかなければならない」と答えました。