2007年11月6日(火)「しんぶん赤旗」
登録型・日雇い“派遣哀史”
山下議員が改善迫る
「対応する」厚労相
日本共産党の山下芳生議員は五日の参院行政監視委員会で、若者の貧困化の要因ともなっている急増する派遣労働、とりわけ登録型派遣や日雇い派遣について、違法行為が常態化している実態を示し、舛添要一厚生労働相にその是正策をただしました。
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山下氏は大阪や東京などで派遣労働者から直接、聞いた実態として「『派遣哀史』とでもいうべき事態が、現代の若者たちのなかに広がっている」と指摘。「派遣先の事前面接は法律で禁止されているが、実際にはザラにある。さんざん面接をして結局、採用されず賃金も出ない。労働者は『おれはピエロか』となげいていた」と告発しました。
山下氏はこのほか、(1)事前に提示される労働条件が違っていること(2)労働現場にトラックの荷台で移送されることが東京や大阪でみられること(3)交通費未支給などが横行していること(4)労災隠しや驚くべき低賃金があること―などの違法行為を指摘しました。
山下氏は「戦後長らく労働者派遣は禁止されていた。規制緩和の流れのなかで解禁され、拡大され、こういう状況を生んだ。若者をモノ扱いし、安上がりに使い捨てにする登録型派遣、日雇い派遣という働き方そのものを政治の力でなくすべきだ」と追及しました。
舛添厚労相は「小泉改革の光と影の部分を見詰め、ただすべきはただす。影の部分で困っている人にはきちんと手当てする」「指摘のようなことを改善していくために、法改正も含めて対応していく」と答弁しました。
また、山下氏が「一度、派遣の若者たちの生の声を聞くべきだ」と重ねて追及すると、同相は「そういう努力をしてみたい」とのべました。
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