2007年11月1日(木)「しんぶん赤旗」
総選挙勝利めざし、直面する問題で国民の要求実現
日本改革の方針大いに語る
日本記者クラブ 志位委員長が講演
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日本共産党の志位和夫委員長は三十一日、日本記者クラブで「総選挙にむけた日本共産党の立場」と題して講演し、福田政権をどうみるか、参院選後の新たな政治状況にどう立ち向かうかについて語りました。
志位氏は、福田政権は「構造改革」路線や「日米同盟」絶対論など「自民党政治の基本的枠組み」では従来の政権と変わりがないが、「変わる可能性をはらんだ面」として、安倍政権の崩壊とともに「靖国」派が大打撃を受けたことを指摘しました。そして、国民の審判、世論とたたかいによって民意無視の問答無用の政治ができなくなったことをあげ、「国民の世論が、政治の動きに直結する時代がやってきた」と力をこめました。
そのうえで、日本共産党が、総選挙勝利をめざし、直面する熱い争点で積極的役割をはたすとともに、自民党政治を大本から変える日本改革の方針を指し示す「二重の構え」にたって奮闘することをのべました。
「自民党政治にかわる政治の展望」として志位氏は、(1)アメリカ一辺倒・軍事偏重をやめ、憲法を生かした自主・自立の平和外交への転換(2)大企業中心主義からの転換―の二点を指摘しました。
新テロ特措法案の問題にかかわって「テロ根絶のうえでも、アフガンの情勢の安定のうえでも、一番の障害になっているのが、自衛隊が支援している米軍の戦争だ」と批判し、テロ根絶のために日本がなすべきこととして、(1)いかなる形であれ、自衛隊派兵を中止する(2)アフガンで開始されている政府と反政府勢力との包括的な和平合意の努力を促進する国際環境をつくるための外交努力をはかる(3)民生支援を抜本的に強め、テロの土壌を取り除く努力をはかる―という三点を提言しました。
大企業中心主義の問題では、政府・財界が社会保障財源として消費税増税を持ち出していることを批判。日本共産党が大企業・大資産家減税と軍事費という「二つの聖域」にメスを入れる立場にたっていることをあげ、アメリカいいなり、大企業中心政治からの転換を掲げる日本共産党ならではの論戦をしていく決意をのべました。
記者からの質問で、民主党の小沢一郎代表にたいする見方を問われた志位氏は、小沢氏が主張するISAF(アフガニスタン国際治安支援部隊)への自衛隊参加は、「憲法違反であり、アフガン情勢の打開のうえでも有害だ」と批判。この主張は小沢氏の「一貫した議論」というが、小沢氏が自民党幹事長時代、いわゆる「小沢調査会」(国際社会における日本の役割に関する特別調査会)でまとめた「提言」(一九九三年二月)では、「正規の国連軍に限定(する)」としていた海外での武力の行使が、「国連の平和活動」であれば、多国籍軍であっても憲法に違反しないというところまで踏み込んでいることをあげ、「これまでの自らの主張も飛び越えている。一貫しているのは海外で『血を流す』覚悟がなければ『貢献』にならないという立場で、議論の一貫性はない。政治的狙いをもつ議論だ」とのべました。
さらに国会の審議日程まで変更し、小沢氏と福田首相だけで行われた密室の党首会談(三十日)について「議会制民主主義をふみつけにした自民・民主による“国会ジャック”だ。こうした密室談合は、有害だし危険だ」と指摘しました。
全小選挙区の擁立方針の見直しについて、質問があり、志位氏は、「政局的な狙いをもったものではない。党の力量をリアルにみての戦術だ。この方針の目的は比例での前進を何としても勝ち取ることに尽きる」とのべました。