2007年10月31日(水)「しんぶん赤旗」
志布志事件
虚偽の自白強要 検証を
仁比議員 内部文書の提出要求
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日本共産党の仁比聡平議員は三十日、参院法務委員会で「志布志事件」を取り上げ、真相の徹底究明を主張しました。
「志布志事件」は、二〇〇三年の鹿児島県議選で、同県志布志市の候補者とその妻が、住民十一人に現金計百九十一万円を配ったとして十三人が公選法違反で起訴された事件。自白の強要・捏造(ねつぞう)などが判明し、今年二月に全員無罪の判決が言い渡されています。
仁比氏は、最高検察庁がこの事件について検証し、国民に公開している報告書について「十分ではない。訴訟の過程での検察官の判断の是非にメスをいれていない」と強調しました。
そのうえで、虚偽の自白がとられる過程の詳細な記録や、検察と県警が調書と整合しない主張のすり合わせをした経緯などが記された内部文書があると指摘。この記録や文書を、最高検がしっかり検証するとともに、法務委員会への提出を求めました。
法務省の大野恒太郎刑事局長は「捜査機関相互のやりとりに関するもので、存否、内容については控えさせていただく」と答弁。仁比氏は、「これでは検察への国民の信頼は回復しない。本来は、警察の暴走を抑制すべき任務と権限がある検察が、その任務を果たさなかったことも検証されていない」と詰め寄り、再度提出するよう求めましたが、大野局長はあくまでも拒否しました。
議場では「(この事件は)でっちあげではないのか」「なぜ(内部文書を)提出しないのか」など、他党の議員からも声があがりました。